野球場で束の間のVIP気分を味わってきた本日日中の話をさせて頂く。
もちろんロッテのチョコレートでもなければ、2ちゃんねるの話でもない。
少々早起きして足を運んだのはこの球場。
今季三度目となる西武プリンスドーム。
桃色サードユニを店に忘れたため、久々に袖を通した懐かしのセカンドユニ。
と、衣装の話はどうでもいい。
注目すべきはこの桃色野郎の立っている場所。
そう、ここはバックネット裏。
「ネット裏スペシャルシート」というエリアなのである。
一応言っておくが、勝手に忍び込んだわけではない。
1席1万円オーバーの最高級席種、普段ならまず近付きもしないそんなラグジュアリーなエリアに今回初潜入が叶ったのは、同郷人でイーグルスファンである当スタジアムの常連様が、お勤め先でお持ちのシーズンシートにご招待くださったという理由である。
買う気もないのにすぐに値段を知りたがる貧乏人の性分をいかんなく発揮して調べてみたところ、シーズンシート価格は4席セットで280万8千円(税込)…。
それを知るだけで座る有難味も5割増しである…。
実際に座らせて頂いたのはここ。
通い慣れた球場の見慣れぬ眺めに戸惑うばかりである。
シートはこんな感じである。
座面、背もたれともにクッションの効いたビニール張り。
ビニールな分、真夏の暑い日などは背中とお尻の汗がヤバそうであるが、座り心地はやはり抜群に良い。
この席の特色の一つがこれ。
メニューの商品を席から係のお姉さんに注文すると、それを持ってきてくれるのである。
「ハンガリー王宮豚」とやらが少々気になったが、結局何も頼まず。
プレイボールまでまだ間があったので、ご招待頂いた常連様と一緒にバックネット裏の建物上部にあるこのエリアの観客限定のレストラン、その名もすばり「オーナーズレストラン」に行ってみる。
見るからにふざけた格好の桃色装束、入口でドレスコードを理由に入店拒否されないか内心びくびくしながらやって来たが、無事に入店成功。
かなり高い位置から俯瞰で球場全体を眺められるロケーション。
空調もよく効いており、プリンスドームには結構な頻度である極寒や酷暑の日は最初から最後までここで観戦していた方がよさそうである。
店内には、ライオンズの栄光の歴史を振り返る展示物が。
出勤前の時限観戦という事は意図的に忘れ、紙コップでないビールで乾杯。
しばしの「なんちゃってシーズンシートオーナー」気分を楽しむ。
30分ばかりをここで過ごし、試合が始まるタイミングで席に戻ろうかというところで遭遇。
試合前の田邊監督との1打席勝負に登板したプロレスラーの武藤敬司さんが、地元山梨のメディアから取材を受けていた。
さて試合であるが、この日の対戦カードはVSイーグルス10回戦。
ご贔屓イーグルス戦であるが、この試合の目的の大半はバックネット裏のシートに座りに来た事であったので、ぶっちゃけ何戦でもよかった。
そもそも出勤前の時限観戦ゆえ、試合自体は小一時間しか見られなかったのだが。
本日のマイシートからの試合中の眺めはこんな感じであった。
バックネット裏の、グラウンドに向かって右の端の方であったため、後ろ姿とは言え左バッターの方が見やすく、森選手の豪快なスイングもこの臨場感で楽しめた。
「左バッターのお尻フェチ」の方には絶好の場所であろう。どれだけいるかは知らないが。
この良席から、栗山選手、浅村選手の連続アーチを至近距離で目撃。
ライオンズのダグアウトがよく見えるので、浅村選手の尻を撫で回す森選手の激写に成功。
この2本のアーチでライオンズが勝ち越した3回裏終了時点で、時刻は15時ちょい過ぎ。
ここで時限観戦のタイムリミットとなった。
普段まず座る事のない、今後二度と座らない可能性の高いラグジュアリーなシートにいつも以上に後ろ髪をぐいぐい引っ張られながらも、ガラガラの西武線に乗り込んで神田への帰還の途についたのであった。
折角ご招待頂いたにもかかわらず、僅かな時間の滞在となったのは残念であったが、普段と全く椅子に座っての普段と全く違う視点から見るプロ野球を大いに楽しめた本日日中。
またいつかの再訪を…、というより、当スタジアムもどこかにシーズンシートを買えるくらいに商売を大きくしたい、と密かに思った西武プリンスドームのバックネット裏であった。
あらかじめ予告しておくが、明日の当スタジアムの休場日は同球場の庶民的席、つまりはいつもの普通の席種に出没予定ゆえ、現地で桃色装束を見かけたりした際は、遠くから生温かい視線でも送って頂ければ幸いである。
来週も引き続き皆様の当スタジアムへのご来場を心よりお待ちしております。