104歳の書家、篠田桃紅さんのエッセイ
「墨いろ」に収められた
心をとらえる色、に特に心を打たれた というかドキッとした。
要約すると
幼少期のひな祭りに使われていた布や道具の自然の色が
心を染める匂い立つ色であり、
今の世の中にあふれている色は鮮やかだが、
そのような色ではないということ。
そして新聞に掲載された大学教授の言葉を載せている。
単調で平面的な色彩が若者向けのファッションに受けているのは
テレビの色が関係しており、
その色は光の混合による虚色で、実感をもたない物ばなれの色である。
その色に慣れると、外観上の見かけの色で質を判断するようになり
目先の色を次々に変え、物ばなれ的傾向を促すに違いない。
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この文章が書かれた1976年には、色に対してこのように論じられていた。
現代もカラフルな色であふれて、流行をつくりだす消費時代となっている。
著者の幼い時にはテレビはなく、本物?の草木染が身近にあったのだろう。
テレビの色に慣れて育った自分。
流行のものをよいと思っていた感覚。
なるほどそういうことか、当たっているなぁ。
私が草花と接していなかったら
気づかなかったし理解できなかった。
実感を持つ奥深い色を感じられる人でありたい。