今日の新聞記事に、一連の教師による盗撮事件に関連をして、岡山県備前市の小学校の教師が逮捕されたというものがありました。
どうも、この教師の逮捕で、一連のSNSによる盗撮画像、動画の共有事件で逮捕された教師は、合計、7人。
これで、SNSに参加をしていた教師の全員が、逮捕されたということになるようです。
その教師と、直接、接することのあった子供や、その保護者は、ショックでしょうね。
恐らく、表面的には、普通の教師だったはず。
多くの人が、「信じられない」という感想を持ったのではないかと想像します。
しかし、恐らく、こういう性癖の教師は、昔から、居たはずで、近年、教師による教え子への性暴力が、問題にもなって来ている。
子供は、何の反抗も出来ずに、トラウマを、長期に渡って、抱えることになる。
現在は、テクノロジーの発達で、「盗撮」「盗聴」など、他人の「隠したいもの」を知ることが、誰でも、簡単に、出来るようになってしまった。
そして、その「盗撮」した画像や動画、「盗聴」をした音声など、一度、ネットに流出をしてしまえば、永遠に、消えることはない。
いわゆる「デジタルタトゥー」というもの。
恐らく、昔は、そういう性癖を持った教師でも、「のぞき」行為をする程度で、現場で発覚しない限り、問題となることもなかったのでしょう。
盗撮も、盗聴も、昔は、誰もが、簡単に、出来ることではなかった。
さて、今回の事件のような出来事は、「言語道断」ということで、別として、他人の「秘密」「隠し事」を、知りたいという欲求は、多くの人に、あるものではないですかね。
しかし、だからといって、「盗撮」「盗聴」を行うのは、犯罪行為。
さて、この「他人の隠し事を知る」ということについて。
藤子不二雄「新オバケのQ太郎」に、面白い話が、いくつか。
一つ目。
Qちゃんは、大のお喋りで、面白い話は、誰かに、話さずにはいられない性格。
そのQちゃんが、他人の「隠し事」を、周囲の人に、ペラペラと喋って、楽しんでいる。
「なんで、Q太郎が、そんなことを知っているのか」
「もしかして、オバケだから、姿を消して、他人の家に、忍び込んでいるのではないか」
そう思った周囲の友達たちは、Qちゃんを、避けるようになる。
「なぜ、自分が、避けられるんだろう」
不思議に思ったQちゃんは、正ちゃんに話を聞く。
正ちゃんから話を聞いたQちゃんは、驚く。
「正ちゃんも、僕のことを、そんなふうに思っているのか」
と、Qちゃんは、泣くが、正ちゃんは、Qちゃんを信じ、Qちゃんと一緒に、真相を探ることにする。
Qちゃんが、他人の「隠し事」を知るのは、どこからともなく、その「隠し事」を書いた紙が、手に入るからだと言った。
では、その紙の内容を書いたのは、誰なのか。
なぜ、その人物は、他人の秘密を、知っているのか。
Qちゃんと、正ちゃんは、真犯人を突き止めるが、その男、貯金箱に盗聴器を仕掛け、それを、子供たちに配っていた。
子供たちは、その貯金箱を、喜んで持ち帰り、結果、その家の秘密を、知ることが出来たということ。
しかし、他人の秘密を「知る」だけでは、面白くない。
その秘密を、他人に話したい。
そこで、その人物は、お喋りなQちゃんを、宣伝係に選んだということだった。
この話、今から思えば、少し「ブラック」な感じ。
二つ目。
木佐くんが、空き地の土管に向かって、何かを話しているところを、正ちゃんたちが、目撃をする。
「何をしているの」
と、聞くと、木佐くんは、「王様の耳は、ロバの耳」の話をする。
つまり、秘密を土管に向かって吐き出すことで、気持ちが楽になるということ。
「何だ、そんなことか」
と、みんな、相手にしない感じで、解散する。
しかし、一人、また、一人と、友達が、自分の「秘密」「隠し事」を話に来る。
彼らは、土管に向かって、自分の「秘密」「隠し事」を話し、スッキリとして帰る訳ですが、何と、その土管の中には、木佐くんが、隠れていた。
「他人の秘密を知るのって、面白い」
と、木佐くんが、土管の中で、ほくそ笑んでいると、そこに、Qちゃんが、秘密を話に来た。
しかし、Qちゃんの秘密というのが、「道に落ちていた犬の糞を、お菓子と間違えて食べてしまった」というもの。
木佐くんは、そのQちゃんの話を聞いて、思わず、笑い出してしまう。
Qちゃんは、秘密を聞かれたと激怒。
そして、激怒するQちゃんをなだめるため、木佐くんは、「実は、土管の中で、みんなの秘密を聞いていた」ということをQちゃんに話す。
お互い、この秘密は、誰にも喋らないと約束するが、木佐くんは、Qちゃんは、誰かに喋りそうだと、Qちゃんの後をついて回る。
三つ目。
木佐くんは、ある事を目当てに、他人に親切な行動をし、周囲にアピールをしていた。
そして、毎日、新聞を楽しみにして、目を通す。
一体、木佐くんは、何をしているのか。
木佐くんは、つまり「良いことをした少年」として、新聞の記事に載ることを目的に、他人に親切にし、それを周囲にアピールしていたのだった。
しかし、なかなか、自分の行為が、新聞に載る様子がない。
木佐くんは、ハカセに相談をした。
そして、ハカセが、アドバイスをする。
「そういう行為は、人知れずに、やらないと駄目だよ」
「でも、人に知られないと、意味がない」
「そういう宣伝は、他人に、やってもらうのが良い。例えば、Qちゃんに」
なるほど、と、木佐くんは、早速、Qちゃんの前で、良いことをすることにした。
Qちゃんは、毎朝、寝ぼけて、散歩をする。
木佐くんは、その散歩の途中で、道の掃除をしながら、Qちゃんを待つ。
そして、Qちゃんが来たところで、
「毎朝、道の掃除をするのは大変だ。でも、道が綺麗になれば、みんなが喜ぶから」
と、Qちゃんに聞こえるように、独り言を言った。
Qちゃんは、木佐くんの言葉を聞いて、「木佐くんて、そんなことをしているのか、偉いな」と感心する。
が、木佐くんは、「人知れず、やりたいから、誰にも言わないでくれ」と、Qちゃんに言うが、もちろん、本心では、大いに、言いふらして欲しいと思っている。
が、Qちゃんは、木佐くんの言葉に感動。
「分かった。誰にも言わないよ」
と、木佐くんに約束をする。
「でも、少しは、話すんだろう」
「いや、絶対に、話さない」
Qちゃんは、本当に、約束を守り、誰にも、木佐くんのことを話そうとしない。
「頼むから、話してくれ」
と、木佐くんが、頼むというオチで終わる。
他人の「秘密」「隠し事」は、知りたいものですよね。
なぜ、人は、他人の「秘密」や「隠し事」を知りたいと思うのでしょうね。
そして、自分が知った、他人の「秘密」や「隠し事」は、誰かに話したいという欲求もある訳で、これも、なぜなのでしょう。
改めて考えると、不思議な感覚、欲求です。
同じ情報を共有するということは、仲間意識を高めるということは、想像できます。
それが、「秘密」に関することなら、尚更、その意識は、強くなることなのではないでしょうかね。
しかし、それは、倫理的に「悪い事」でもある訳で、葛藤がありますよね。
しかし、多くの人が、それを我慢している訳で、一線を越えると、犯罪になってしまう。
または、他人を、傷つけることにもなる。
自制をしなければ。

