いまひとたびの、魚座 | ***Walk on the light side

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銀河に煌く星たちのように

現在、土星と海王星が逆行して魚座に戻っています。

これも含めた水のグランド・トラインが出現しているため、いろんな浄化が起きやすいときですね。溜め込んでいたものが溢れてきて「もういいや」という思いと共に手放されていくときです。

いろんなものを押し流して、次のステージへ進んでいくタイミングですね。

木星と土星はその時々の社会の雰囲気や方向性を司り、天王星・海王星・冥王星の集合天体は、人類全体がどちらの方向へ進化していくのか、大きな単位への影響をもたらします。

これらの社会的な背景は当然、個人の生活に影響しますよね。景気が良いのか、悪いのか。社会が安定しているのか、不安定なのか。

人間の人格が形成されるのは、自我が芽生える2〜4歳頃ですが、その人格構造の柱となっている部分は母親の妊娠中、生後まもなくの環境に多大に影響されます。

それは母親の気分の良し悪しであり、母親の感じているものが、そのままダイレクトに月を通して子どもに反映されます。月はコピーする性質があるため、母親が内側で感じている気分をそのまま、赤ちゃんは自分の感情として心を通して感じるのですね。

ですから妊娠中そして産後の社会情勢は子どもの人格形成に多大な影響をもたらします。もちろん、その環境の中で母親が母子ともに守られていると感じられていたのか、孤独と不安を感じていたのかという意味において、夫や親やその他の親族との関係も重要です。



戦前、戦中生まれの世代の親を持つ人の話を聞いていると「母親(あるいは父親)は非常に激しく、情緒が不安定で、一度言い出したら人の言うことなど聞かず、子どもの頃は本当に辛かった」という人がいます。それはそのまま、その人が戦時中にそのような状況で育てられたということでもありますね。

たとえば、こちらの1937年(昭和12年)のチャートには水のグランド・トラインがありますが、これは日中戦争が始まった年です。



火星と土星と冥王星の三角が激しい圧力を伴う形で戦いの方向へと突き進み、カイトとなっている海王星が土星の向かいにあって、安定していた社会の秩序が唐突にぐにゃぐにゃとした非常に脆い大地に変わっていくような危うさをもたらしたでしょう。

私の世界はこれからどうなるのだろう。生き延びることはできるのだろうか。輸入が止まり、社会の最優先事項が戦争となり、食料や生活必需品の供給が危うくなっていく世の中で、子どもを守り、育てることができるのか…?

こういうチャートを読むと、当時の時世で子育てをする母親の不安を感じて、ぞわっとします。社会が否応なく暴力的に、有無を言わせず、個人の暮らしを圧倒して、追い詰めいく。

その体験が、時代を生きる母親の感情を通して人格に構造的に組み込まれて、それを再現するのですね。

 

なので、激しい時代背景に生まれた人は、本能的な不安定さや恐れや圧力を繰り返し感じることになり、そのたびに、それを表現しますが、その激しさは当時の社会の厳しさ、そのものを反映していると考えられます。

そういうことがわかると、厳しく激しい人のことを、許容することはできなくても、理解することはできるでしょう。

きっと大変だったんだろうな。苦しかっただろうな。嫌だっただろうな。

理解から共感がやってきたとき、彼らの代わりに泣くことができるかもしれません。


魚座に滞在している土星と海王星は、そんな風に世代を超えて、長いあいだ流せなかった涙を流し、苦しみや葛藤から解放することを助けてくれるでしょう。

いまひとたび、過去のワークをするのに、非常に良い時期だと感じます。