take off (詩) | アナン何なん、アナンなん!?

アナン何なん、アナンなん!?

明治大学一年生...
現在「アナン」都内各所シンガーソングラーターとして活動中...

スーツケースが似合わない僕 登場10分前になっていて

不意にというか必然的か 旅立ちがもうそこまで来ている

いつもとは違う秒針の音 少し遅くなっていても

不思議と涙、流さずにいた 見送る人もいない中


空のカタチ 頭の中に 残そうと必死になっても

「ムリダッタ、ワカッテイタ」

心の中でそうつぶやくだけ


小さな町でたくさんの人と 多くのことをかかわってきたから

断てなくて、断ちたくなくて それでも涙、流れなくて



どちらにしても時間が来たし そろそろ行かなくちゃだめだね

進む足取り、重くならずに スーツケースのほうが重い


窓から見下ろす故郷の町 少し殺風景でいて

ばかばかしくて目をそらしても まぶたの裏に写ってる


空のカタチ 僕の想い 漂うだけで満たされない

僕だって 心の中に

まだやりたいことが少し あるんだ


とりとめのないことで笑えた あの日のことを忘れたくないから

立てなくて、立ちたくなくて シートの上に転がる思い



離陸直前 不安と希望 混ざる不思議な想いが

何をしていいかも分からず 外を見た

揺れる機内 揺れるココロ あきらめに似た思いが

はじける



小さな町でたくさんの人と 多くのことをかかわってきたから

断てなくて、断ちたくなくて それでも涙、流れなくて


これから先は新たな街が 多くのことを生み出すだろうけど

断てなくて、立ちたくなくて それでも涙、流れなくて



スーツケースが似合わない僕 搭乗10分前になっていて

心の中で納得されずに 旅立ちが今始まった。