CAR-T入れて21日目。最初は想定内の高熱のみでそのまま事が運ばれるかと思われたが開始して1週間後くらいに副作用の影響でICANSが重くでて一時期昏睡状態に。それと同時にLDHが3,000にまで上昇してしまった。ICANSによる意識障害は大量のステロイド投与が効いたのか日に日に少しずつ妻は回復の兆しをみせた。それが今となっては簡単なやりとりができるほどまでに回復した。

 

そして骨髄検査の話だが、別にそこにがん腫瘍が固まっていたとかではなかったそう。そしてそれは僕が予想した通り、マクロファージの暴走による炎症だった。妻が直面している症状、血液検査のデータから僕が調べてみて照らし合わせていたところがん腫瘍が爆発的に増えてLDHが3,000まで登ったというのが考えにくかった。また、ステロイドだけで急激にそれが低下したというのもなかなか説明し難い。となると副作用のサイトカイン放出症候群(CRS)や免疫効果細胞関連神経毒性症候群(ICANS)の一部として現れるこの問題、マクロファージ炎症だった。また血球や血小板が著しく低下していることから、これの線だと考えるのが自然であった。

 

医師と話す前にこの辺の情報を自分で得ていたので話がすごくわかりやすかった。医師が話す前にこちらが先に、これの可能性ではないのかと聞いていたり、医師が話すことがほぼほぼ僕の想定していることと合致した。いや、僕の想定が合っていて欲しいという希望もあった。もしこれがこの副作用ではなく、CAR-Tをやっている最中にも関わらずがん腫瘍が全ての原因でLDHの値が爆発的に上がってしまったのならもうCAR-Tがあまり効力を持っていないということになってしまうのでその結果は望むものではなかった。とりあえず、原因がはっきりしたのでやれやれである。

 

さて、妻の方はまだ、血小板が非常に少ない、血球も少ない、そしてあまり血液が作られていないので貧血気味である。そのせいで意識障害や認知障害が少しずつ回復してきてはいるがまだぼーっとしている状態である。ここからは妻の自力で回復を担っていく必要がある。LINEでのやり取りはたまにしているがあまり一気にたくさんの文字を送るとはっきりと情報処理できないようで、返信の内容も乏しい。しかしながら、自我についてははっきりしており、わがままさだけはきちんと残っているので時々好きなことを言い出す。当然ながらあまりこちらの状況は考えていないようである (ってのは病気に関係なくいつもそうだったが...)

看護師からも入院当初から妻は偏食のタイプであり、好き嫌いも非常に多く、病院食はまずいという理由でほとんど食べなかったことが多い。そういう意味もあって僕がものすごく頻繁に妻の好きなものをレストランで調達してテイクアウトを届けていた。おそらくそれは院内でも割と有名になっただろう、看護師さんたちは僕の頑張りは全員把握しているようだ。

 

しかし、回復に専念しなければならないこの中、あれこれわがまま言っている場合ではない。まだLINEでまともにやり取りが進まないので要望を聞いても返信が来なかったり、数時間後に返信が来たりと、時間的にこちらもそれでは対応ができないのが現状。妻には今は色々贅沢言わず、しばらくは病院食を義務だと思って食べてくれと伝えた。ろくに1人で歩いたりすることや何かをしたりすることは全然できないが、自我が保てる意識レベルまでなまじ回復してるだけにちょっと面倒な患者であると思う。これで色々と素直だったらそうでもないのに... 今は自力で立つこともできない状態なので回復にはなかなか時間がかかると思われる。本人は勝手にもう直ぐ退院なんて思っているかもしれないが、僕の見立てではまだ1ヶ月~2ヶ月の間は病院にいることになるだろう。来週や再来週に自力で立って歩き出すというのはまずないと思う。この辺は本人は全く分かっていない。

 

 

とにかく、僕の方としては骨髄検査の結果がマシな方だったので胸を撫で下ろした。CAR-Tの山はなんとか超えてくれたようだ。当然、まだまだ油断はできないし完全に安堵もできない。CAR-Tをやって1ヶ月くらいしか経ってないのにまた再発してって例も全然ある。がんを退治したというのは4~5年くらい何も起こらなくてやっとそう言えるものである。気を抜けないのには変わりないが、でも、でもとりあえずは山を越えれた。とにかく妻にはしばらくは回復のために素直にリハビリや食事に向き合ってほしい。僕の方もここまで随分と頑張った。僕も正直色々と状態は悪くなっているがいろんな薬を飲んで誤魔化してきたが、そろそろなんかそれがあまり効かなくなってきたことに気づき始めた。あまりにも疲れが蓄積されてきているという状態だろう。

 

さてそろそろ... 僕がどうなるか、だな