病気になった方で経済的な面において特に若い方なんかだと不安に感じることもあるのかも知れません。
制度の詳細はそれぞれできちんと確認してもらいたいと思いますが経済的な面では援助などがなくても請求が来て生活が困る事がないように用意されています。
「高額療養費制度」
誰でも使い慣れたものだと思います。
1ヶ月の医療費の自己負担額が上限を超えた時に超えた分を支給してもらえます。年齢や収入によって負担額上限は変わりますが、12ヶ月以内に3回以上高額療養費制度を利用した場合4回目以降からは更に負担金額が少なくて済みます。
だいたい入院などしていると病院から案内があって限度額適用証などを準備するよう教えてくれますし、知られた制度だと思います。どんなに高額な手術などをしても一月の負担額は一定額で済みます。
「傷病手当金」
病気や怪我(会社の業務内や通勤中のものは労災の給付対象なるのでそれ以外のもの)で病気や怪我で療養中であり、4日以上仕事を休んでいる(3日間の待機期間を超えて)場合に支給されるものです。
もちろん労務不能であると医師などが判断する場合ですが、働けないような怪我や病気になった場合は一年半受け取れますので非常に助かる制度です。
「失業保険」
万が一何かしらの理由により失業した場合に支給される失業保険、職を失っても一定期間収入の心配をせずに次の勤務先を探せます。病気や怪我と直接関係する制度ではないですが状況によっては色々な道を検討する際に役立ちます。
「障害年金」
働くことが難しいような方が対象で利用する機会は少ないかもしれませんが例えば悪性腫瘍で抗がん剤の副作用で倦怠感や吐き気がある場合なども、客観的に治療により仕事に支障がある状態だと認められれば支給される可能性があるものです。
生活や仕事への影響を重視して基準が決まっていて、原則初診から一年半経過していれば申請可能です。(障害者手帳とは全く別の制度で認定基準も全く別です)
これだけでなく医療費を理由に受診を断念しなくて良いように日本には色々な制度があります。
「無料低額診療事業」
例えば所得が低いなど生活困窮者が金銭的な問題で医療の提供を受けれる機会を制限される事のないよう社会福祉法に基づき行われている事業です。
無料または低額で医療を提供しています。また経済状態などに問題があればSWに他の福祉制度の相談などもできる場合もあります。
以前にも書きましたがHIVや難病など特定の疾患については障害者手帳の制度や、自立支援医療などの制度もあります。
「障害者手帳」
身体障害者手帳(身体障害者福祉法)、精神障害者保健福祉手帳(精神保健及び精神障害者福祉に関する法律)、療育手帳(療育手帳制度について[通知])を指します。
HIVの場合は身体障害者手帳の障害区分では内部障害の免疫機能障害に該当します。第一種の一級から三級になります。
第一種と第二種はJRの運賃の割引に関して定められたもので介護者も割引を受けられるものです。手帳に「介護」と印が入ります。
身体にある障害の程度を示すもので医師からの診断書により各自治体で認定されます。(障害年金とは制度も基準も別です)
「自立支援医療」
更生医療、精神通院医療、育成医療を指します。
障害者手帳を交付された方が利用できHIVの場合は更生医療で<重度かつ継続>に該当します。
旧障害者自立支援法の改正により障害者総合支援法となりました。
その疾患の治療に関わる病院と薬局(1箇所)での一月の自己負担上限が所得により区分がありますが〜20,000円で済みます。
「重度心身障害者医療費助成制度」マル障
[制度の名称は自治体により違う]
自治体によって名称だけでなく、利用できる要件や内容にも差があります。
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳をもつかたで更に要件に該当する人
収入要件などもある場合がありますが医療機関の保険診療全て(1箇所だけではなく)が無料や一定の負担額で利用できます。
HIVではなく指定難病などはまた別の制度もあります。
「難病医療費助成制度」特定医療
原則、難病法に基づき指定された難病と診断され認定基準を満たす方が対象で区分された自己負担上限までで済みます。
医療費に関して病気が発覚して入院になった時に金額が大きく一度に払えない場合も、病院は患者を脅したり早く払えと無理なことはするものではありません。
現状を説明すれば解決策を一緒に考えてくれたり支払い方法についても相談に乗ってくれます。
大抵の場合は助成制度などを利用する事で通常払う事が不可能な請求が来ることはないのでそこら辺は安心して欲しいと思います。
生活自体が成り立たなかったり求職中だったり収入自体が不安定な場合にも様々な福祉制度があり病院のSWなどに相談すれば良い案を一緒に考えてくれます。
また40歳以上の方であれば介護保険も利用できる場合があります。
制度については、やはり患者自身でも落ち着いて調べてほしいです。
経済的に誰にも頼る事ができない場合でも、所得や身体の状態に応じて医療費の助成や福祉制度が受けられるようになっています。
ここで記載したのは一部の制度です。
誰にも頼れないと経済的な心配をせずに利用できる制度がないか確認してほしいと思います。