満身創痍だったリサイタル

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あのリサイタルからもう1週間が経とうとしていますから、裏話をお話します。



実は本番2日前から突然声が出なくなりました。



周りでも声が出なくなる風邪が流行っていましたから気をつけてはいたのですが…まさか、このタイミングで…と、血の気が引く思いをしました。


翌日(本番前日)に病院で抗生物質を処方してもらいましたが、とても間に合わない。


あらゆる策を講じたものの状態は良くならずそのまま本番の朝を迎えてしまいました。



早朝にいつも通っている花谷接骨院の花谷院長に連絡しました。
一番忙しい土曜日の朝に貴重な時間をいただき、特別に施術をしていただきました。

体中の骨を一つずつ正常な状態に。

そして最後に…
「あとは気合い!頑張って!!」
と、神様のような笑顔で送り出してくれました。


あの時の院長の笑顔がずーっと脳裏に焼き付いて、会場に着くまで心の中で「大丈夫、大丈夫…」とつぶやいていました。

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会場に着いてリハーサル開始。
うん、少し声が出るようになってる。
でも、もちろん本調子には程遠い。
mP(メゾピアノ)以上の音量で歌えない。




それでも何とかリハーサルをこなしていると…
「第九」フラッシュモブに参加される今或(いまある)さんがフラリと楽屋に現れました。


どうやら時間を間違えて来てしまったとのこと。
いや、きっと僕が心の中で彼を呼んでいたのでしょう。


「調体師」という今或さんには、これまでも合唱練習時からいろいろ体のことを話させていただいていて、リハーサルでの声の状態のことを話したら「ちょっと、やってあげましょうか?」と仰って、僕の体に手をかざしてくれました。

一曲歌っては診てくれて、また一曲歌うと…というのを繰り返し、最後の曲の前に「ちょっと気を入れますね」と首の辺りを手で包んでくれました。

その瞬間…全身に何か電気のようなものが走り、頭に鳥肌が立つような感覚が。


そのままリハーサル最後の曲を歌ったら、一気に声が出ました。


今或さんがいなかったら僕はきっと「気」持ちの部分で折れていたでしょう。ステージに怖くて立てなかったかもしれない。



花谷院長の「あとは気合い!」の言葉と、今或さんの「気を入れますね」が僕の中でバチン!と合って、奇跡的に体を揺り動かしてくれたのだと思います。

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本番は最初のソロ曲2つはまだ声にするのがやっとの状態でしたが、父のソロステージの後の「電話」からは開き直って歌えました。


もちろんベストな状態でお聴かせできなかったのは大変申し訳ないことでしたが、今思えば、絶好調の状態で歌っていたらもっと「傲慢な」歌い方をしてしまっていたかもしれない。


あの状態だったからこそ、一曲一曲、一音一音に細心の注意と誠意を込めて歌えたのかもしれないし、間違いなく「やりたいことは全部やりきった」と言えるステージでした。



本当は言い訳に過ぎないし、恥をさらすことになるので、こういうのは書かない方が良いのですが…それ以上に僕を土壇場で助けてくださった花谷院長と今或さんにお礼申し上げたく、敢えて書かせていただきました。


改めまして、お越しくださった皆様に心より感謝いたします。

花谷院長先生、今或さん、ありがとうございました。