先の日曜日。
前夜の心地良い疲労を体中に感じながら、
テレビでラグビーの早稲田大学 vs 明治大学を観戦した。
「71-7」で早稲田の圧倒的勝利。
史上最大の得点差をつけて早稲田が大勝。
負けた明治の選手は涙すら出ない。誰の目から見ても明らかな実力差で早稲田が完勝した。
早稲田の選手達も当然、喜んではいた。
が、その反面、過去の宿敵のあまりの手応えの無さにどこか寂しげな顔をしていた。
技と精神力の早稲田 vs とにかくパワーの明治。
大学ラグビー界おける両雄とも言うべきこれら二校の戦いは「伝統の早明戦」と敬称され、勝ったり負けたりを繰り返しながら、毎年多くのラグビーファンを魅了していた。
自分が現役の頃は明治が圧倒的なパワーで早稲田を圧倒、早稲田は毎年グラウンドを涙で濡らしていたものだ。
明治大学ラグビー部の精神的支柱的言葉の「前へ」というフレーズには、いつもゾクゾクしていた。
しかし、あれから10年が経ち、時代の変遷とともにその図式は、ここ数年でガラリと変わったようだ。
学生ラグビー界は早稲田を中心に動いており、10年前は名実共に大学ラグビーの象徴だった明治はその片鱗すら見せず、毎年辛酸を嘗めているとのこと。
たしかに日曜日の試合も
「技と精神力の早稲田 vs パワーの明治」のはずが「技とパワーと精神力の早稲田 vs ただのいち大学」になっていた。
気づかないと、時代はすぐに変わっていく。
気づいても、時代は決して待ってくれない。
例えば貴乃花や古田敦也、カズ、清原和博、イチローなど
現役の頃、ヒーローだった人達が引退していったり、ベテランと呼ばれるようになっていくのを見ると少しずつ歳を重ねてきたことを感じる。
と同時に、いよいよ自分たちの世代が世の中/社会に戦力として本格的に貢献していかないといけない時期に来ていることも感じる。
10年前、自分のヒーローだったラグビー選手達も、
現在の活動状況をネットで調べたら、引退、もしくはコーチとなり、一戦から退いている人がほとんどだった。
10年前、ヒーロー達からもらった数々のパワーを、
そろそろ周りや世の中に還元していかなくてはいけない時期に差し掛かって来たようだ。