暦上では立春を迎えましたが、全国的に極寒世界。体調を崩される方も多いようで一日に必ず一人は体調不良で予約キャンセルが入ります。くれぐれもこじらすことのないようにご留意ください。スギ花粉症の私からすれば「もうしばらくは寒くてもいいかな、雨も少し降ってほしいな」といったところです。  昨年あたりから、マウスピース矯正、インプラント治療など主に審美歯科関連で患者さんと歯科医院でトラブルになり訴訟問題まで発展する事案をニュースでよく耳にするようになりました。そもそも歯科医院(歯科医療)は科学的根拠に基づいて診断し、医療行為を施すことによって患者さんの要求に応え健康増進へ導くものだと思います。要求には病的な状況(痛い、腫れたなど)の改善からより快適さ(もっと綺麗に、白く)の追求といったものまで幅広く存在します。健康保険制度は主に疾病の治療・予防に重きを置いているため、病気とまでは言えないけど、より快適さを求める審美歯科領域は自費治療になるケースが多いと思います。このような要求を持つ方は、はじめから自費治療になることを承知されていることが多く、治療費は高額になり歯科医院側の利ザヤも大きくなります。その分、歯科医院側は高度な知識と技術でニーズに応えなければニュースになってしまいます。  当院にも昨年若い方がお二人、「前歯を綺麗にしたいからラミネートべニア(以下べニア)治療をして欲しい」といった主訴で来院されました。お一人目は虫歯リスクがとても高いようで、主訴の前歯に虫歯が多発していました。これはべニア以前の問題と思い、虫歯治療と予防をおこない、虫歯リスクを減らさないと根本解決にはならない事を説明しました。お二人目は歯並びがよくなく、いわゆる乱杭歯で、これはまず矯正専門医(近所の連携している岡大の後輩の先生)に相談すべきであると説明しました。さてお二人はその後どうなったでしょう?。答えはそれっきり来院されませんでした。もし審美、審美と前のめりになって無理やりべニア治療をしていたら・・・、どうなっていたかは想像に難くありません。願わくばあの若いお二人が健康意識に目覚め適切な医療を受けられたことを祈るばかりです。