◎最近読んだ本・久しぶりに書いた、 | 図書館探偵LDの読書ノート

雨が題の本を読みたくなった。


藤原緋沙子  光文社  540円
 渡り用人片桐弦一郎シリーズ 第二弾 藤原緋沙子にシテは珍しいシーンもあり新しい境地のシリーズかもしれない。
雨がふっても…
田村みえ   学研   998円
たまにはこんな絵本も見たくなった


日本ペンクラブ, 浅田 次郎
人恋しい雨の夜に せつない小説アンソロジー

 浅田次郎/選   光文社
 非常に幅広い中から選んだ心に残る名作を集めた珠玉のアンソロジー

そして藤沢周平 の雨がつく題の短編集も読み返した。

「時雨みち」 藤沢周平   新潮社
「驟(はし)り雨」  藤沢 周平
「雨のあと」  藤沢 周平

  

そういえば以前も雨にまつわる本のことを書いたことがあったのを思い出した。
題に雨がつく本を少し載せてみます。
まだまだ沢山ありますが、載せきれないのでこんなところです

●どうぞお入り 外は雨 片岡義男著    集英社
●驟り雨        藤沢周平著    青樹社
●世界中が雨だったら   市川拓司    新潮社
●遠雷雨燕        坂岡真      双葉社
●地下街の雨      宮部みゆき著    集英社
●雨          井上ひさし著   新潮社
●雨  サマセット・モーム著 中野好夫訳  三笠書房
●雨上がり        水木雨子    新風舎
●雨ごもり       高橋揆一郎著   福武書店
●雨を見たかい     上野哲也著   講談社
●はじまりはいつも雨    望月広海 著
●隨筆新雨       内田百間著    小山書店
●雨の扉        薄井ゆうじ 著   光文社
●雨の日ぐらし    山田美妙作      博文舘
●雨恋        松尾由美著     新潮社
●ゆっくり雨太郎捕物控   多岐川恭 著 徳間書店
●雨は心だけ濡らす     北方謙三 著  光文社
●雨月        立松和平著      平凡社
●雨のコンスタンチーヌ    森詠著 中央公論社
●腕一本の春・花の雨 山手樹一郎 著 光風社出版
●黒い雨 ; 駅前旅館 井伏鱒二著    新潮社
●雨の庭      加賀乙彦著    潮出版社
●サンチャゴに降る雨 大石直紀著    光文社
●雨がやんだら     椎名誠著   新潮社
●雨の匂い       樋口有介著  中央公論新社
●雨鶏(あめどり)    芦原すなお著 角川書店
●金色の雨       藤田宜永 著   幻冬舎
●雨の中に死ぬ    西村京太郎著   角川書店
●雨の朝、パリに死す  フィッツジェラルド  講談社
●雨のことば辞典 倉嶋厚監修   講談社
●雨ふらしぬまがたいへんだ!
   たかはしこうこ作  ほりかわりまこ絵  大日本図書
●雨の楽しい話 原田稔著   日本図書刊行会
●雨と日本人   宮尾孝著   丸善
●雨のくに   佐藤秀明著  ピエ・ブックス
●静か雨 : 現代女流作家名作選  森三千代編 現代社
●雨のはれ間   虚白斎 [著]
●京都雨景    水野克比古著   光村推古書院
●「雨の木 (レイン・ツリー) 」を聴く女たち
         大江健三郎著       新潮社
●雨の事典 : 空と海と大地をつなぐ
         レインドロップス編著   北斗出版
●タキノの雨ものがたり
    木村セツ子 作 こさかしげる 絵   新日本出版社
●雨の木曜パーティ 池田あきこ著    ほるぷ出版
●雨がくれる50のしあわせ 吉沢深雪著   大和書房
●ヴィレッジに雨     山本道子著    新潮社
● 雨 ニモマケズ       宮沢賢治原作
●雨にもまけず 宮沢賢治の生涯 斑目栄二著  富文館
●雨女          泡坂妻夫 著    光文社
●白い雨          赤川次郎著    光文社
●雨が降る靴       川村真澄著   河出書房新社
●大江戸閻魔帳〈続〉灯雨近秘命録
              八剣浩太郎 著学習研究社
●雨更紗         長野まゆみ著 河出書房新社
●スペインの雨      佐藤正午著  集英社
●桜桃忌・悲し雨       志茂田景樹 著   KIBA BOOK
●萩の雨     連城三紀彦著     講談社
●雨瀟瀟        永井荷風著    春陽堂

◎久しぶりに読みごたえのある小説


この小説をなんと言えばいいのか、ハードボイルドなのか、はたまた戦争小説化、冒険小説というのかわからないが、読み応えのある話であったのは間違いない。




熊谷 達也
氷結の森


「氷結の森」 熊谷達也  集英社  2007年1月
日露戦争 からの帰還兵が北の果てで鰊漁の漁師になったり、
厳寒後できこりになったり、故郷の秋田の村を離れ、職も住まいも転転とする流浪の生活をせざるを得なくなった訳は・・・
ヌブヒの少女を救い、その後さらわれた少女を救いに樺太にわたり、ロシア人と日本軍の争いに又巻き込まれ、自分を慕う女性まで殺され、自らは捕虜となり、処刑される寸前まで行き・・・あ~あ・凄まじすぎる。相剋の森・ 邂逅の森(直木賞、山本周五郎賞を史上初めてダブル受賞・マタギの話) に続く森シリーズ3部作でもちろんそれぞれが独立した話だが
文学的には相剋の森・ 邂逅の森は失われつつある自然や日本風土を描いて素晴らしいのだろうが、それほど感銘は受けなかったが、この話は凄かった。そして主人公の柴田矢一郎の魅力的なこと、ヌブヒの少女タイグークの美しさ、絶対後日談も続編として読みたいがきっと書かないだろうな、とにかく今まで読んだ熊谷達也のなかで氷結の森が一番凄かった。

村上 元三
顔のない侍

 村上元三 徳間書店 2007年1月
昨年96で亡くなった村上元三氏の文庫本が復刊のような形で出版された。佐々木小次郎・勝海舟 ・ 田沼意次・次郎長三国志・水戸光圀 ・ 新本忠臣蔵 ・からす天狗 ・ 平賀源内 ・
上杉謙信とその一族 ・加藤清正 ・ 切られお富 ・源義経 ・新選組等多数・・・時代小説で思いつくような題材のことはほとんど小説にしている大作家の割りに評価が低いのではと思われる作家である、佐々木小次郎を書いたころはそれでも大人気の売れっ子だったはずであるが、同じく長谷川伸に師事した池波正太郎に比べるとちょっと残念な気がする作家である。
「顔のない侍」はあとがきで細谷正充氏が書いているがまさに007のジェームス・ボンドの時代版のような不死身の面白さのある作品で映像化を頭において描いたんだろうと思われる作品の仕上がりです。連作中篇が5話で500頁弱であるがことによると柴連の眠狂四郎のような路線を描きたかったのかもしれない。週刊誌に1年連載したものをまとめたのだが、読んでなかったのでそれなりに楽しめた。

神坂 次郎
海の稲妻〈上〉―根来・種子島衆がゆく

神坂 次郎
海の稲妻〈下〉―根来・種子島衆がゆく

上 ・下」 神坂次郎
    講談社
根来鉄砲衆族長の子・十郎太は島の若者達と種子島党を結成して堺に渡る。信長の下で石山本願寺・雑賀党と戦う父の陣へ赴き、戦国傭兵隊として活躍する。手練の鉄砲技術を駆使し、毛利水軍を撃破、秀吉の鳥取城攻めにも貢献する。秀吉の根来寺焼き打ちから落ち延びた十郎太は助左衛門と名を改め、千利休ら茶人衆や堺商人の庇護のもと、海商に転じ呂宋島へ船出する。行手を阻む海賊を蹴散らし、南蛮貿易で商才を発揮する。その反骨の心意気は、小便壺を名品茶壺として秀吉をも翻弄するほどになった。呂宋助左衛門の波瀾万丈の半生。実在の人物を小説にする場合どれくらい資料が手に入るかだが、種子島伝来とあの時代の公家などの正史といわれるのぐらいしかないだろうと思われるが爽やかな青春群像のような仕上がりである。


本を読むというのはある種の心の旅である。
                    LD

昨日は読み応えのある本を読んだので軽めの本をと思い面白そうなのを探してみた。


梶尾 真治
悲しき人形つかい

」梶尾真治 光文社 2007年2月
何とまぁ、幅広いのだろう、この作者はSFからこんなハチャメチャな痛快な話も書けるなんて、筒井康隆の再来かと(まだ生きているのに)面白さであっという間に読んでしまった。
ファンの多いはずだと納得。

熊谷 達也
七夕しぐれ


「七夕しぐれ」熊谷達也 光文社  2006年10月
昨日読んだ氷結の森 の作者の熊谷達也はアイヌやまたぎや大自然を永遠に嘉吉図けるのかと思っていたら少年の 友情物語
もかいてるんだと読み始めたらこれがまた、橋の無い川の住井須江さんの作品をおもわすような部落差別の話だったのでちょっと驚いたが改めて力のある作家なんだと再認識させられた。

近衛 龍春
川中島の敵を討て

」近衛竜春 光文社 2007年2月
武田と上杉の戦いを川中島を舞台に克明に描いた作品。
時代小説は好きだが、戦記物はあまり読まないので実はこの作者の作品は始めてである。上杉、北条、織田、嶋左近 、高坂弾正等の戦記ものを書いてるのは知っていたが、どうしても資料が偏り、思い込みが激しいような気がしていたので読まず嫌いだったのをこの作品で教えてくれた。実によく調べてある作品だった。ただやはり時代物といっても江戸中期の小説のほうが好みだということも再認識した。

クレア マトゥーロ, Claire Matturro, 栗原 百代
毒の花の香り

クレア・マトゥーロ 栗原百代訳
   二見書房  2007年1月 

 なぜか次々とトラブルに巻き込まれてしまう女性弁護士、花咲き乱れる常夏のフロリダ州サラソタを舞台に繰り広げられる、ロマンス&サスペンス、物凄い美人で頭の回転も速いという天は二物をというヒロインの軽やかな話。

ロイス・マクマスター・ビジョルド, 鍛治 靖子
チャリオンの影上
ロイス・マクマスター・ビジョルド, 鍛治 靖子
チャリオンの影下

「チャリオンの影 上・ 下」東京創元社  2007年1月
  ロイス・マクマスター・ビジョルド 鍛治靖子訳

中世スペインをモデルにしたと思われる異世界ファンタジー、チャリオン国主一族をおおう恐るべき呪詛の正体を知ってしまう。呪詛を破り、イセーレと故国チャリオンを救う方法は・・・中世ヨーロッパのキリスト教とイスラム教の戦いを思わせる五神教と四神教の争いに巻き込まれる主人公カザリルの行方は・・・・どうやらこれは3部作の幕開けらしい。
やはり続気が出たら読むんだろうなぁ。


というわけで今朝はゆっくりと起きてしまった。
昼に人が来たのでぼんやりとしていた頭がちょっとすっきりとした。さてちょっと出かけるか。