久しぶりに、NHK-BSプレミアムシネマでこんな映画を観た！
(原題:RACE) 〔製作・監督〕スティーブン・ホプキンス 〔製作〕ジーン・チャールズ・レヴィ、リュック・ダヤン、ルイ・フィリップ・ロション、ドミニク・セガン、ケイト・ガーウッド、ニコラス・マニュエル、カルステン・ブリュニヒ 〔脚本〕ジョー・シュラップネル、アナ・ウォーターハウス 〔撮影〕ピーター・レヴィ 〔音楽〕レイチェル・ポートマン 〔出演〕ステファン・ジェームズ、ジェイソン・サダイキス、ジェレミー・アイアンズ、ウィリアム・ハート ほか (2016年・アメリカ/ドイツ/カナダ)〔英語(※一部ドイツ語)/字幕スーパー/カラー/レターボックス・サイズ〕
1936年ナチス独裁政権下で開催されたベルリンオリンピックで史上初の4冠を達成したアメリカ人陸上競技選手ジェシー・オーエンスの半生を描く。貧しい家庭に生まれながら、陸上選手として中学時代から類いまれな才能を発揮していたジェシー・オーエンスは、オハイオ州立大学でコーチのラリー・スナイダーと出会い、オリンピックを目指して日々練習に励む。しかし、アメリカ国内では、ナチスに反対し、ベルリンオリンピックをボイコットする機運が高まっていた。そして黒人であるオーエンスにとって、ナチスによる人種差別政策は、当然容認できるものではなかった。オーエンス役を「グローリー 明日への行進」のステファン・ジェームス、コーチのスナイダー役を「モンスター上司」のジェイソン・サダイキスがそれぞれ演じ、オスカー俳優のジェレミー・アイアンズ、ウィリアム・ハートが脇を固める。監督は「プレデター2」のスティーブン・ホプキンス。
2016年製作／134分／G／フランス・ドイツ・カナダ合作
原題：Race
配給：東北新社、STAR CHANNEL MOVIES
劇場公開日：2016年8月11日
ナチスが宣伝したかった１９３６年ベルリン・オリンピックを、アメリカの立場から描いた映画で、人種差別（ユダヤ人問題や黒人問題など）と政治・スポーツの世界をコラボさせながら、ナチスの思惑通りにはゆかなかった点にスポットを当てているのが興味深い。
後にIOC会長となったブランデージも重要な役として登場し、アメリカ側の立場から立ち回ることに。
オハイオ州立大学の陸上部コーチ：ラリーは、１９２４年パリ・オリンピックの寸前で飛行機事故を見て参加を断念したその生涯をメダルの取れるランナーを育て上げることにあった。ジェシー・オーエンスは期待の星であったわけだ！
さらに興味を惹いたのは、レニー・リーフェンシュタールも登場し、かつての映画製作の場面や、実際にその時の映像も出てくるというシーンも。。。
世界に冠たる強いドイツを喧伝したいナチス宣伝相ゲッベルスは、このオリンピックを自分のオリンピックとまで豪語していたのだったが、ジェシー・オーエンス擁するアメリカの前に悉く期待は裏切られたのだ。
この時点で、第二次世界大戦の敗北が予知されていた？にも拘わらず、大戦への道を突き進んでいったことに反省の余地はあるのだろうか。。。
ドイツがアメリカなど連合国軍に敗れる姿を、１９３６ベルリン・オリンピックに見ることも可能かもしれぬ。
オリンピックに参加することが、ナチスに加担するというジレンマに悩んだジェシー・オーエンスは、出場することを選ぶ。それが、ヒトラーの鼻を明かすことになることを信じて。
なお、走り幅跳びのヨーロッパ・チャンピオンであるドイツ選手と優勝を争ったジェシー・オーエンスとのスポーツマンシップも美しく描かれている。後に彼は、ナチス批判者として戦争時に前線に送られ戦地に斃れたのだった。
レニー・リーフェンシュタールが何度も角度を変えて撮りたがったジェシーの跳躍である！