パッパーノ盤「トリスタンとイゾルデ」を聴く・・・! | マンボウのブログ

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さて、戦後の代表的な奏・録音を聴いてきたけど、掉尾は・・・チョキ

 

 

   

 

ヘッドフォンワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲
トリスタン:プラシド・ドミンゴ(テナー)
イゾルデ:ニナ・シュテンメ(ソプラノ)
ブランゲーネ:藤村実穂子(メゾ・ソプラノ)
クルヴェナル:オラフ・ベーア(バリトン)
マルケ王:ルネ・パーペ(バリトン)
メロート:ジャレド・ホルト(テナー)
牧童:イアン・ボストリッジ(テナー)
舵手:マシュー・ローズ(バス)
若い船乗り:ロランド・ヴィリャソン(テナー)
コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団
コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団
アントニオ・パッパーノ(指揮)

録音:2004年11月23日~2005年1月9日、ロンドン、アビーロード第1スタジオ

 

 

メモ2015年、アントニオ・パッパーノ&ロイヤル・オペラ・ハウス来日記念再編成盤。テノール界の最高峰、プラシド・ドミンゴの長年の夢だったトリスタン。豪華キャストとともに、パッパーノの指揮を得て、満を持して実現させた意欲作。 (C)RS

 

 

メモ演目はワーグナーの大作『トリスタンとイゾルデ』で、主演は重鎮プラシド・ドミンゴに、スウェーデン出身のソプラノで、先ごろリリースされたヴェルザー=メストの『ばらの騎士』で元帥夫人を歌っていたニナ・シュテンメの二人。これにオラフ・ベーアや、バイロイトでおなじみの藤村実穂子、ルネ・パーペ、イアン・ボストリッジ、ロランド・ヴィリャソンといった有名歌手たちが絡むのですから歌としての魅力は文句なし。
1968年ハンブルクの『ローエングリン』で初めてワーグナーを歌い、その後も『マイスタージンガー』のヴァルター、さらに『タンホイザー』を手掛け、1992年、93年、95には『パルジファル』でバイロイト音楽祭に出演、2000年には『ワルキューレ』のジークムント役でふたたび聖地の舞台に立ったドミンゴが、現代有数のワグネリアン・テノールであることは疑いのないところでしょう。そのドミンゴが15年に及ぶという研鑚のすえに臨んだこの『トリスタン』は、まさに彼のワーグナー歌唱の総決算というにふさわしい出来栄え。たっぷりとした中低域に加え、ドイツ系テノールにはない高音の輝きを備えた英雄像は、歴代の『トリスタン』歌手の中でもひときわユニークかつ強い存在感を放つものといえるでしょう。
シュテンメのイゾルデといえば、2005年夏のバイロイトで同役を歌って絶賛されたことが記憶に新しいところですが、さすがに評判どおりのみごとな歌唱を聞かせています。美しく力強い声は高音にも恵まれ、豊かな情感を盛り込んだその歌唱はイゾルデに最適と言いたいところ。第2幕の有名な2重唱はドミンゴともども最高潮といった感があり、その芯の強い素晴らしい声を堪能させてくれます。
レコーディングでは久々のベーアがあいかわらずの美声を聞かせるクルヴェナール役、重厚な中にも覇気を感じさせるパーペのマルケ王役も秀逸。この豪華なメンバーに伍して、藤村実穂子がブランゲーネ役を立派に務めていることもおおいに誇るべきでしょう。その深い声を存分に響かせる第2幕第2場の美しさはたとえようもありません。
加えて、ドミンゴを師と慕い、その主要レパートリーを次々と制覇しつつある逸材ヴィリャソンが、この豪華な全曲盤の第1声にふさわしい美声の水夫役で登場、さらに牧童役をあのボストリッジが務めているのも、レコーディングならではの贅沢です。
指揮はコヴェント・ガーデンに活気を取り戻した逸材、アントニオ・パッパーノが務め、先に発売されたドミンゴとの2枚のワーグナー・アルバム(『指環』抜粋、二重唱集)を上回る感銘を与えてくれます。ヴァイオリンを左右に配したオーケストラも好調で、立体的な音響効果のみならず、第3幕の味わい深いコーラングレ独奏などソロも実に巧みです。よく歌い、よく盛り上がるいつものパッパーノ節もここでは実に効果的で、豪華歌手陣の歌とともに陶酔的な官能美から、多彩な登場人物の織り成す喜怒哀楽にいたるまで、密度高く描きこんでいて見事というほかありません。このコンビの充実ぶりを感じさせるに充分な仕上がりといえるでしょう。

 

 

 

              アントニオ・パッパーノ(1959- )

 

 

21世紀の「トリスタンとイゾルデ」である!口笛

 

 

私は、海外の歌劇場の来日公演でこの作品を一度だけ聴いたことがあるけど、主役の二人が全裸で登場するシーンがあり、18歳未満お断りという珍しい公演だったのを覚えている。ニヤリ

 

今から16年前、2008年のパリ国立オペラの来日公演@兵庫県立芸術文化センターだった。

 

 

     diary_archives ++-- 劇評98 パリ国立オペラ「トリスタンとイゾルデ」

 

 

21世紀のトリスタンは、60歳を超えたドミンゴが歌う。ちょっとばかり歳を取り過ぎた感もあるけどなあ。。。やはり、もっと若いトリスタンが聴きたいけど。まあ、ドミンゴの長年の夢だったから、致し方ないとも言えそうだ。イゾルデを歌うニナ・シュテンメも40歳くらいだから、中年コンビのトリスタンとイゾルデかな。。。グラサン

 

 

 

 

   <ワーグナーを聴く・・・!>・・・16