講演やセミナーは私1個人が実際に味わった事を皆さんに知って頂くスタイルなので、一般的な講演やセミナースタイルではありません。
全ての性別違和を持っている性同一性障害やLGBTが当てはまる事ではない事をご了承ください。
久しぶりの学校からの依頼でしかも、大学となれば、天理大学ぶりかもしれない・・
今回は、大阪大谷大学さんの講演をさせて頂きました。
当初は、20~30人と言うお話だったと思い、簡単なワークショップで質問を解いていき当事者の問題を知ってもらおうと思ってましたが、開催日の数日前に200人位とおっしゃって、ビックリして、事前資料を回答されていたらまだ、何とかなると思っていたのですが、大人数な為、回答も出来ない状態である事を知り、慌てて、即興で大箱向けの資料を5時間ぐらいでやっつけました。
リハの練習も出来ないまま、本番
当日、大学の最寄り駅に行き、タクシーでキャンパスへ
人権の担当の方が迎い入れて下さりました。
講演前の会話で
大学の学生の中にも当事者が要る前提で、当事者から何故言ってくれないのか? どのように対応したらよいのか?が見えてこない
性的少数者の対応のルール化をしても、1人1人感じ方捉え方自分らしいスタイルは違うのでマニュアルは作れないと伝えました。
ただ、全ての性的少数者が共通する部分のマニュアルは作れても、最終的には1人1人の個別対応でお願いしますと伝えました。言いたくても言えない人、 言いたくない人 対応して欲しいけど、アウティングの恐怖で性別の違和感のまま、我慢して生活している人
沢山居てます。 先生同士の共有が無いと学校運営は成り立たない部分が大いにある。共有するとアウティングの恐怖がある。所属の学部以外で共有するものもある。その大きな組織ならではの問題もある。
人権関連の担当の方総務関係の方とお話していました。
時間が来たので、会場へ。 ホールが、丁度試験会場になっているらしく、視聴覚室的な場所への講演になりました。
会場に集まってくる教職員さん、会場内がギッシリと埋め尽くされました。今回の講演は参加者が多かったそうです。
約200人?位集まり、講演を開始。 人が多ければ多い程スピーチのやりがいを感じ自然と力が入り、結局大きく終了時間が押して20分オーバー位になってしまいました。
私が小中学生の時、人前で話すなんて大の苦手、それが、今はやりがいを感じるって人生はわからないものです
講演会の前に質問を頂いて、最後に回答させて頂きました。
私の講演を通じて在学生在学院生にたいし役立ててもらえたら私は嬉しいです。
■大阪大谷大学人権教育研修会おける質問事項の回答■
※あくまでも、回答は私個人の感じた回答なので、全ての性別違和を持っている性同一性障害やLGBTが当てはまる事ではない事をご了承ください。
Q1・最近眼にするLGBTQと言う語句のQについて教えてください。
A1.「クィア」や「クエスチョンニング」と言う2つの言葉を表しています
- 自分の性別がなんなのか、ハッキリしていない
- どちら性別とも言えないし、決める必要もない
- 性別を探し中だけど、この状態が心地よいかも
- どちらの性別かが揺らいでいるけど、これが自分らしい
- 性別迷子みたいなもの
Q2・LGBTの方々は性的マイノリティと言われることをどのように感じられているのかを 教えてください。
A2.性別マイノリティと言う表現は、マジョリティーからの目線の表現であり、当事者からは良いように思わない事があります。私は、世間からはトランスジェンダーと言われています。私自身もトランスジェンダーを名乗っていますが、それは、皆さんに私たちみたいな人を知ってもらうために使用しています。本来ならば、性的マイノリティやLGBTの言葉が有る事自体おかしい事なのですから・・・
Q3・欧米と日本とのLGBTに関する意識の差異は存在しますか?存在するのであれば、ど
のような点かを教えてください。
A3.欧米のほうが、LGBTに対して受入れ意識が高いと言われていますが、地域によっては受け入れられない所もあります。日本においても、東京は異文化の方が集まり意識が高いですが地方に行けばLGBTの意識が低いのと同じで、国で意識の違いではなく地域によって意識が違っています。
Q4・もしも自分の子ども等がLGBTであると告白した場合、対応の仕方を教えてください。
A4.男らしく女らしく、男はこうあるべき女はこうあるべきと言う言動はNG。子どもが幸せな人生が送れるのであれば、温かく見守る姿勢が子どもにとって嬉しい事です。そして、告白した後も普段通り接して上げて欲しいですね。
Q5・LGBTの方が現在、最も生き辛いと感じられるのはどのような状況の時か、具体的に教
えてください。
A5.4番の回答と重複していますが、ジェンダーバイアスが一番生き辛いです。トランスジェンダーの私の場合、身体の性別で社会が区別することが多く、その枠組みに入れず自分の感じている性別の枠に入ろうとすると間違った知識で傷ついたり偏見や排除された経験が幾度もありました。例えば、身体が男性で有るため、本来あるべき性別の女性の浴場に入れない、本来あるべき性別で婚姻出来ない、福利制度が受けられない等が生き辛くなっています。
Q6・LGBTと共に近年、SOGIという語句を眼にすることがありますが、この語句の意味と内容および使い方について、教えてください。
A6.SOGIについての資料をご覧ください
Q7・先生がお考えになられる自分らしさとはどのようなものかを教えてください。
A7.男らしく、女らしく、男はこうあるべき女はこうあるべきであるジェンダーバイアスに囚われることなく、幸せに生きていて良かったと感じる生活スタイルや人生が自分らしさです。
Q8・現代、どれぐらいの割合でLGBTと言うものが正しく理解されているとお考えでしょうか?また、あまり進んでいないのであれば、どのようなことが障壁となっているのかを教えてください。
A8.LGBT総合研究所の『LGBT意識調査2019』の全国 20~69 歳の個人 42 万 8,036 名対象のインターネット調査結果
「性的指向区分」:
「異性愛」……93.0%
同性愛や両性愛などを含めた「性的指向少数者」……7.0%
「性同一性(性自認)区分」:
「シスジェンダー(出生時の性別と現在自認する性別が同じ)」……93.9%
トランスジェンダーやXジェンダーなどをまとめた「性同一性少数者」……6.1%
【調査結果】
- 「『LGBT・性的少数者』という言葉をどの程度知っていましたか?」
「『LGBT・性的少数者』という言葉を知っている」……91.0%
「『LGBT・性的少数者』という言葉の意味を理解している」……57.1%
- 「自身の周りにLGBT・性的少数者である人はいますか?」
「身の周りにはいない」……83.9%
原因は、男女の区分で何事も成り立っていて、施設利用に無理やり枠に合わしている事に誰も気づかない。カミングアウトしても全否定され偏見差別がある、特に社会人では、就労に就けない、配置転換で精神的肉体的過酷な職務を強いられる、見えない問題がある。
Q9・LGBTの中でも自分がそうであるということを最も言い難いと思われるのはどの方々でしょうか?またその理由についても教えてください。
A9.もっとも言い難いのはTであるトランスジェンダーの方
LGBの方は性的指向であり恋愛・性愛の事で福利厚生の問題であるが、Tの方であるトランスジェンダーは生活や生き方そのものに支障をきたしている。
- 生活するのに、お金が要る。
- お金を得るには仕事をしないとダメ。
- 仕事をする為に就職活動をする。
- 採用に至らない。
無限ループにはまり抜けられなくなり、衣食住が困窮やがては出来なくなり、自殺するなど命の存続が危ぶまれる。
Q10・男女は生誕した時に差異があり、その特性に応じていきるという意見に関して、先生の
お考えを教えてください。
A10.本来であれば身体的性別と自分か感じている性別や(性自認)が一致するのが当然で有り、性的指向も異性愛でその特性に応じて生きるのは当然である事で社会の仕組みを取り決められているが、実際に性自認と性的指向が一致しない特性が存在している以上、社会の取り決めを含めないと社会的に支障をきたすのは当然なので、どんな特性の方でも公平平等に社会的資源を受ける権利を有すると私は感じています。