若気の至り・・・
過去を振り返れば、若かったからこそ、恥ずかしいこともあるわけで・・・。
アーメン・・・。
先週の日曜日、教会での出来事。
コーラスグループの合唱コンサートを見てきたんです。
「えっ、こりんご、ちゃ、ん?」
ある女性が、こりんごの前に現れた。
えっ?
あっ、
脳内フィルムが、ギュルギュルっと巻き戻されて、さかのぼること16年前!
この女性のことは、はっきり覚えている!
だけれど、最後に会ってからもう15年もたっている、
名前が思い浮かばない!
だけど、渡米したばかりの、新鮮で、何も知らない、だけれど、怖いものなしだった あの頃。
ギラギラとした、粋がった、若さが漲る、でも今思うと何故か恥ずかしいような、
ブイブイしていた頃の自分を思い出した。
「やっぱり、こりんごちゃんだ!
まだ、NYにいたのね!
帰らなかったのね!」
そう、渡米したばかりの当時、こりんごちゃんは、マンハッタンの女子寮に入っていた。
いや、女子寮っていっても、個人のベッドルームはあり、バスルームはシェア、
一日二食付きで、グランドセントラルのすぐ近くという、最高のロケーション、
国が経営している女子寮で、元軍人の未亡人と、若い外国からの留学生女子だけが住んでいた。
つまり何世代も違うアメリカ人のおばあちゃんと、その孫くらいの外国人女子が一緒に暮らすという、非常に、ユニークな寮だった。
そこに住む外国人女子たちは、ほとんどが語学学校か、ダンススクール、演劇スクールに通う学生であった。
社会人だったのは、こりんごと数人くらいだった。
1年半、その寮に住んだのだが、あの時代は、本当に、渡米したてのワクワクが弾けそうなエナジーいっぱいの時代だった。
20代後半という年齢も煽って、アメリカ生活、思いっきり羽目を外した時代である。
まだまだ、アメリカの経済も、そんなに悪くなかったので、いろんな外国人とブラインドデートし、恋愛ゲームを楽しみ、女の経験を積んだりした、
(ちなみに、女として乗りに乗って来たのは、30過ぎたあたりからだ。)
ともあれ、20代の後半は、アメリカ生活のはじまり、まるで解放された魚のように、何もかもが新鮮で、どこまでも泳いで行ってしまうような、ちょっと危険で怖いもの知らずな、そんな異文化を存分に楽しんでいた時代だった。
当時、あの寮に住んでいた学生は、今では、ほとんどが帰国したであろう。
だから、15年ぶりに会った彼女が、こりんごがまたニューヨークにいたことに驚いたのも無理はない。
思い出は、鮮明によみがえる。
16年前。
彼女とは、住んでいた部屋が11階の同じフロアーで、斜め向かいのご近所さんだったから、すごく仲良くしていた。
彼女もニューヨークに来たばかりだったので、よく一緒に出掛けたり、
寮の食事も一緒にしたり、恋愛の話や、悩みごとなんかも打ち明けるような仲だった。
彼女は、1年くらいして、その寮からクイーンズに引っ越しした、
あの寮は、恵まれたロケーションで、食事まで付き、家賃もマンハッタンにしては高くない。
しかし、国に守られてる感があって、なんというか、自立していない、温室のような生ぬるさがあり、
また、男を連れ込めないという面もあった。
なので、この寮を出ることは、ある種、独立出来た証でもあった。
彼女が引っ越した後も、彼女のアパートに遊びに行ったりと、していたが、
あることがキッカケで、二人の仲は少し陰ってしまった・・・。
アタシは、今でも、あのことを、罪悪感に思っているのだろうか?
15年ぶりに彼女に会った時も、そんな思い出が蘇えって来て、胸がうずいた。
許してほしいと思ってしまう自分に、そんな時効の思い出を彼女が気にしている保証はない。
彼女が引越しした、クイーンズのアパートで、寮の仲のいい女友達が集まって、引っ越しパーティーをしていた、
当時、流行っていた Match.com デーティングサイトで、ボーイフレンドを探そうと、男たちをオンラインで物色していた。
彼女が、とある男性を選び出した、
彼女のタイプとは違う、二ヒルでワイルドな男だった。
「ちょっとアタシのタイプじゃないかな~。」
と彼女が言った、
ほっとした自分がいた。
そのワイルドな男は、当時のこりんごのタイプあった、
「彼、カッコいいじゃ~ん!
メッセージしちゃいなよ!」
「え、そうかな?」
こりんごは、それを横目で見でいていた。
メッセージ送らないで ほしいと願っていた自分がいるのに気づいた。
周りのみんなから、送っちゃえ、送っちゃえと乗せられ、
「やだ~、どうしよう〜、
メッセージ送っちゃった!」
彼女は、結局、そのワイルドな男にメッセージを送った。
キャーキャーみんなではしゃいでいた。
「きゃー、彼から返信が来た!」
簡単なチャットを、みんなで、英文を考えながら、送っていた。
その夜、寮に帰って、デーティングサイトの彼のプロフィールを一人で見た、
やっぱりタイプの男であり、自分も彼にメッセージを送りたい欲求にかられた。
友達がメッセージを送った男に、メッセージを送るって、これ、横取りか?罪か?三角関係か?
いや、付き合ってるわけじゃないんだし、横取りでも、罪でも、三角関係でもないでしょ?
アタシがメッセージ送ったって、返信が来るとは限らないし、
そうやって、自分の都合のいいように解釈して、アタシは、そのワイルドマンにメッセージを送った。
そして、彼から返信が来てしまった。
彼女にも返信が行き、自分にも返信が来て、遊び人の男かなとその時は思った。
まぁ、オンラインデーティングなんて、はじめのやり取りは、複数の人と同時進行で、ふるいにかけていくものだから、そんなもんかとも思っていた、
彼女も、しばらく、彼とチャットしていると言っていて、
罪悪感がよぎる、まさか、アタシも、その彼とチャットしてるなんて言えなかった、
あの時、素直に、この人、アタシのタイプ、アタシもメール送りたいと、一言いえばよかったと今でも後悔してる。
それからすぐに、彼と会うことになった。
彼女や、もしかしたら他にも複数、同じように、複数に甘いメッセージを送っていることは、彼女の話から知っていたので、この人は遊び人だとはっきりわかっていた、
大切な彼女にも、そのことを教えてあげたかったが、まさか、その複数の女は私ですとも言えず、
そして、その男が遊び人だとわかっていて、自分も彼と会うことを決めた、
彼女に対する変な裏切りの罪悪感がありながらも、若さの欲求は抑えきれなかった、
彼は、バイクで迎えに来てくれ、青春ドラマみたいに、バイクの後ろに乗って、ぎゅっと彼の背中にしがみつき、
彼の素敵なアパートに招待されて、一緒に家で食事をし、甘い夜を過ごして、
朝はまったりと、ブレックファーストを食べて、彼のアパートのプールで一緒にはしゃいで泳ぐ、
全てのモーメントに、酔いしれていた。
(まぁ、典型的な、肉体関係の王道を行くような流れですけどね。)
そんなデートが何度か続き、
別の友達から、
「彼女、あのワイルドな男から連絡こなくなっちゃったんだって。」
彼が、彼女に連絡を取らなくなったことに、ものすごい罪悪感を感じた。
そして、当時、彼女に黙って彼に会っていることが、辛くなってきて、
その友達に、打ち明けてしまった、
「こりんごちゃん、それって、絶対にやっちゃいけないことだよ!
ニューヨークみたいにタフな街は、奪い合いで のし上がる街だけれど、
その気持ちもわかるけれど、
やっちゃいけないことだったね。」
そう言われて、彼女との関係は、閉ざされたと思った。
その友達に、助け舟を求めたのに、地獄に落とされた感じだった。
しばらく、そのワイルドマンとデートはしていたが、
「ねぇ、こういう名前の日本人ともメッセージのやり取りしてなかった?」
「え~、してたっけな?覚えてない。」
なんだか、悲しかった。
その後、自分もいろんな人とデートしてたので、いつまでその彼とデートをしていたのか覚えてないが、
一時の甘い時間のために、欲望に駆られて、大事な友達を裏切ってしまったことに痛手を負ってたんだと思う。
いや、あれ、本当に、裏切りなのか、まだ納得いかない自分もいた。
その後すぐに、彼女から、一通の手紙が届いた。
「結婚しました。」
とても、彼女にふさわしい、優しそうなアメリカ人の旦那様とのウエディング写真を見て、
アタシの罪は帳消しにしてもらえるかな?
でも、結婚式の招待状ではなく、結婚報告の手紙だったので、やはり、大切な友達を失ったんだなと・・・
そんな若かりし思い出が、一気によみがえっちゃったわけね。
「こりんごちゃん、ホント、懐かし~!
今でも、ここで頑張ってるのね、まだドラム叩いてるの?」
「ドラムは、去年やめたのよ。
でも、あれから、永住権も仕事から取れて、おまけにまだ独身だけど。
あの寮を出て、直ぐに結婚しから、もう長いでしょ?」
「そうね、15年、でも、そろそろ離婚するかも。」
そんな彼女は、はるかに人生大人であった。
アタシは、あの事件を、今でも封印で出来ないくらいに覚えていて、
彼女に、あの一件を、聞いてみたいと思ってるんだけれど、
あの事、怒ってるのか?
あれは、裏切りだったのか?
横取りだったのか?
アタシのことを、許せてないのか?
そんなこと、気にも留めない一件だったのか?
でも、聞けない。
だから、このブログに、記録してみた。
このブログは、2005年から始めたから、
2002年に渡米した、初期の思い出は、自分の心にしか残っていなくて、
あの当時の自分を知っているのは、彼女くらいしかいないから、
あの、はっちゃけてた当時を知っているのは彼女だけだと思うと、
なんだか、懐かしいというよりは、なんだろうか、
ちょっとイタズラして先生に見つかっちゃったヤバい、みたいな甘酸っぱいダークな思い出なのである。
今日は、過去の思い出に浸り過ぎたんで、NYこりんごラジオ、過去放送ピックアップは、お休み!
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