昨日、バアサンの世話を終えてアパートに帰って来たら、
駐車場にある、大家さんしかひねることのできない水道から
水が噴出していた。
大家さんしかひねれない、というのは、大家さんだけが
水道の栓を持っていて、たまにやってきた大家さんが
理由は分からないが、なんとなく水を撒きたくなったりとかしたときに
栓を持って来て水を使うのである。
テナントは、やっとことかペンチを持っていればひねれるかもしれないが、
今のところ誰かがひねって不正に水を使っているのは見たことがない。
その水道から水がジャージャーとダダ流れに流れている。
不用意に近づくとしぶきがかかるから、そおっと近寄って
観察したら、栓はつけっぱなしにしてあったので、
締めようとしたが、固くて回らなかった。
自分の持ち物ならもう少し頑張るが、ヒトのだし、
普段テナントは触っちゃなんねー、と思っているものだから、
管理している不動産屋さんに電話することにした。
不動産屋さんとは初対面から気が合ったし、
その辺でよく出会うので、気安い仲なのである。
あの~、外のテナントが触れない水道がバクハツしてます、
というと、スグにやって来た。
部屋の窓から不動産屋さんが見えたので、
出て行くと、すでに水は止まっていた。
どういうことか知らぬが、ものすごく簡単に水が止まったところを見ると、
呼びつけたのが申し訳なかった気がしたので、大阪のオバチャンが
大得意とするところの、ものすごく遠くから
「イヤ~!ウフフフフフ!!すいませ~ん!!」
と言いながら登場、というのをやりながら近づく筆者。
どうしたことかと尋ねると、水道栓は全開しており、
ものすごく固かったが閉めたら水は止まったとのことであるが、
では、最後の使用者が出しっぱなしてその場を離れたことになる。
そんなヤツがいるだろうか。
第一、最後の使用者として唯一可能性のある大家さんは
その日来ていない上、筆者が朝水道の真横に
止めた車に乗ったときは異常なかったのである。
不動産屋さんの推理によると、おそらく水道栓は常に開けっぱなしで、
シャワーヘッドについている手元スイッチのみで開閉を行うことを
常としていたのではないかということであった。
そうして常時高水圧のかかったホースが本日とうとう裂けてしまい、
全開で解放の時を待っていた水が大噴出したというわけである。
「は~、なるほど。じゃ、ワタシがもっと頑張って栓を閉めればよかったのに、
呼びつけちゃってすいませ~ん!!」
「いえいえ、固かったからねえ~。ホースも裂けてるし・・・・」
なごやかな雰囲気の中、何を思ったか不動産屋さんが
状況を再現しようと、そのとき水道栓をひねったのである。
すると、あたりまえすぎる結果として、ホースの細い裂け目から水が
プシューーーーー!!!!
と噴出!!! 絶好の位置にいた筆者が水攻めに!!!
叫びながら飛びのく筆者!!
慌てて謝る不動産屋!!
何だこの光景は。
――夏の午後、水場に佇む男女。
たわむれに女に水をかける男。
”キャー!”
女の黄色い声。
キラキラ光る水滴、小さな虹、
一つになる笑い声――。
これはあの、あの、失われた
せせいしゅんの、い、いちぺーじ・・・・・・?
・・・のようでもあった。
ヤツと筆者の年齢の合計から
60ほど引けばな。
そのあとすぐ別れたが、濡れたレギンスが気持ち悪いながらも
10分ほどはなんか気分が高揚したままであった。
こういうのを回春というのかも知れぬ。
くす。