「バースデーケーキ：血の粛清」(2021)

ケーキを配達する男の身に起きた粛清劇をU-NEXTで観ました。

監督はジミー・ジャンノプロス。予告編はコチラ。

ニューヨークが舞台。少年時代に父親が何者かに殺されたイタリア系のジオ(シャイロ・フェルナンデス)。今では20代中盤のイイ男。10回目の命日となった日、叔父アンジェロの家に母ソフィア(ロレイン・ブラッコ)の手作りケーキを届けるお使いをします。父の命日にアンジェロ叔父さんの家でファミリーが集まって、故人を偲ぶパーティーを開催。みんなで母のケーキを食べるのが毎年恒例となっています。ガキの使いじゃあるまいしと思いつつも、ママに逆らえないジオは、徒歩数十分くらいの距離にある叔父の家に向かって歩き始めます。イタリア系といえばマフィアということで、ジオの親族も裏稼業で生きています。父の死後、ジオの家族の面倒をずっと見てくれていたレオもマフィアの一員で、叔父のアンジェロがファミリーのボス。死んだ夫もマフィアだったくせに、息子ジオがその世界に半分足を突っ込んでいることを母ソフィアは毛嫌いしています。兄貴分のレオは最近ヤバイ案件でFBIに目をつけられているため、パーティー当日も潜伏中。

歩いてるジオにさっそくFBI捜査官が近寄って来て、レオの居場所を教えろと脅されます。叔父の家に行く前に隠れ家にいるレオと会う予定だったジオ。恩人の居場所をFBIにチクるわけがありません。つづいて、友人の店に立ち寄ったりしながら、レオがいるはずの場所に行くと、レオと揉めているプエルトリコ系ギャングが強襲。咄嗟に身を隠したジオですが、部屋にいた友人は殺害されます。なんとか逃げ出して、ストリップバーにも立ち寄ってから、ようやくアンジェロの家に到着。アンジェロ(ヴァル・キルマー)に優しく出迎えられて、集まった男たちでパーティーを開始。そこでの話題もレオのことで持ち切り。どうやらレオはマフィアを裏切ったらしく、アンジェロからレオの所在を聞かれるも、きな臭い空気を感じたジオは話そうとしません。そのうち、母の手作りケーキをみんなで食べてパーティーはお開きになるかと思いきや、とんでもない事態が起きて・・・というのが大まかなあらすじ。

原題は「The Birthday Cake」。誕生日ケーキがキーアイテム。主人公ジオが道中で知り合いとのどうでもいい世間話をしたり、命に関わるいざこざがあったりしてから、ようやく着いた家であっと驚くことが起きる一本道のストーリー。その間、常に箱入りのバースデーケーキを大事に持っているジオ。箱の中がグチャグチャにならないか、観ていてハラハラします。冒頭から父の死の謎が提示されているものの、終盤になるまでネタ晴らしをしてくれません。なんとなくアレがこうなるのかなという予感が、終盤になるにつれて確信に変わっていく感じ。アイデア一発の内容で、話の引っ張り方がそれほど上手くありません。ファミリーの一員に、ポール・ソルヴィーノ、ジョン・マガロ、ウィリアム・フィクナーなどがいて、微妙に豪華。ヴァル・キルマーが銃で喉を撃たれた設定で、地のままの容態で演じています。ジオを陰でサポートする神父役でなぜかユアン・マクレガーも客演。そこそこの顔ぶれが揃った、地味なインディーズ風映画でございました。

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