「ロックンロール・ハイスクール」(1979)

 

ラモーンズが本人役で出演した学園コメディをU-NEXTで観ました。

 

 

監督はアラン・アーカッシュ。予告編はコチラ

 

アメリカのローカル都市の高校が舞台。校内放送でラモーンズのロックのナンバーを大音量でかけて盛り上がる様子を、苦々しい顔で眺めているのが新しく赴任してきた校長先生(メアリー・ウォロノフ)。たるんだ風紀を取り締まる気マンマンのカタブツレディです。レコードをかけたのは、ラモーンズの大ファンを自認するリフ(P・J・ソールズ)。ヤンチャなリフとは対照的の内気なメガネっ子ケイト(デイ・ヤング)親友同士。ケイトはアメフトのスター選手のに片思い中。そのトムはイケメンなのにダサいキャラ扱いでオンナにモテないチェリーボーイで、リフと初体験したいと悶々としています。ケイトはトムと両想いになるように、トムはリフと体験できるようにと、生徒の悩み事を解決する商売を校内でやっているイーグルバウアー(クリント・ハワード)に依頼します。

 

ある日、ラモーンズがこの街にやって来ることになったんで、チケット発売の3日前から会場の前売ブースに泊まり込みを開始するリフ。学校に休暇届けを出したのはケイト。でも、校長にバレて二人とも反省室行き。規則を守らない生徒たちを次々と取り締まっていく校長。ロックを忌み嫌う校長の感情を逆なでするように、ラモーンズライブに行って盛り上がる生徒たち。リフは自作曲『ロックンロール・ハイスクール』をライブ会場でラモーンズに手渡しでプレゼント。反抗的な生徒に一泡吹かせたい校長先生は、ロックを有害音楽に認定。生徒たちが学校に持ち込んだレコードを全部焼却する暴挙に出ます。怒った生徒は学校に立て籠もって校長と全面対決。すると、大騒ぎになっている高校ラモーンズのメンバーがやって来てゲリラライブを敢行して、さらに大パニックとなって・・・というのが大まかなあらすじ。

原題は「Rock'n'Roll High School」。ロジャー・コーマン製作の大味なテイストのコメディ。リフ役のP・J・ソールズは特徴のない美人で、高校生には見えません。ケイト役もメガネを取ったら実は超絶美人だったというわけでもなく、フツーに地味。トム役のヴィンセント・ヴァン・パタンは1980年代前半まで人気のあった青春スター。プロテニスプレーヤーとしてもそこそこ活躍していて、本作の公開当時は世界ランク20位台だったんだから、たいしたもんです。トムに憧れるケイト、リフとヤリたいトム、ラモーンズに夢中のリフの3人が主役。なし崩し的に話が進んで、最後にケイトの魅力に気づいたトムと両想いになる恋愛パートはグダグダで、ウリは人気絶頂だった頃のラモーンズが出演していること。チープ・トリックやトッド・ラングレンがNGで、ラモーンズ起用となったとのこと。

 

彼らがライブ会場と高校で演奏するシーンがクライマックス。校舎内での演奏後、生徒たちは立て籠りを解除して出てきます。しかし、リケジョのケイトが仕掛けた爆弾で校舎をハデに破壊。燃えさかる校舎をバックに再度ラモーンズが演奏して強引に終わるエンディング。トムとケイトに恋愛指南をする高校生イーグルバウアー役のクリント・ハワードロン・ハワードの実弟。兄の監督映画を中心に今でも地味な脇役で活躍しているようです。クラシック派だったのに、ラモーンズのライブに感動して生徒の味方になる音楽教師を演じたポール・バーテルは、「デス・レース2000年」(1975)の監督もしている人。ほかに、校長に加担する地元警察の署長はジョー・ダンテ映画常連のディック・ミラー。本作はジョー・ダンテが脚本に参加しています。という感じで、出演者のキャリアをチェックするぐらいしか面白味のない映画でございました。