こんにちは。夫婦関係専門カウンセラーの松尾 聡子です。
夫婦関係がどんどん悪化して、毎日がつらくてたまらない・・・
顔を合わせれば喧嘩をしていたのも、もう、どれくらい前だろう。
今は、会話もほとんどなくて、
家の中の空気は暗く、ギスギスした雰囲気でいたたまれない。
お互いに、愛情はかけらもない。
夫婦の再構築も、望んでいない。
もう、離婚してしまいたいけれど、
「子どもには両親そろっていないとかわいそう」
そんな思いが、離婚にストップをかけてしまい、八方ふさがりになっている。
そんなご相談も、とても多いです。
離婚して、一人で家庭を切り盛りするのは
経済的にも、家事や育児の人手的にも負担が増えて、大変になります。
それ以上にブレーキになるのは
「子どもは両親がそろっていないと就職や結婚のときに不利になる」
という意見です。
たしかに、片親の家庭を差別する人は、残念ながらまだまだ存在します。
就職や結婚のときに、それを理由に反対する人もいるかもしれません。
そのことも踏まえた上で
「自分は何をもって、子どもの幸せとするか」
それを考えることが大事なんじゃないかな、と思います。
どんなに親が不仲でも、理不尽な差別を受けないことを子どもの幸せとするか、
あるいは、そんな理不尽な差別に負けない、自分の人生を自分で切り開ける子どもに育てたいか、
ということです。
子どもというのは、親の不仲の原因は自分にある、と考えてしまいがちです。
親はもちろん、自分たちに原因があるとわかっているし、子どものせいだなんて思ってません。
それでも、子どもは
「自分がもっといい子だったら、お父さんとお母さんは仲良くしてくれたのかも」
「お父さんとお母さんを仲良くさせられない自分が悪い」
と、無意識に思ってしまうものなんです。
そして、自分の存在が親を不幸にしていると思ってしまったり
親の仲を取り持つことができない自分に対する信頼を失っていきます。
そうなんです。
自己肯定感がどんどん下がってしまうんです。
さらに、目の前で親が身体的に暴力を受けたり
暴言をあびせられていたり、逆に無視されるなどの精神的な暴力を受けているのを見るのは
子どもにとって、自分が直接的に被害を受けていなくても
「面前DV」と言われ、心に大きな傷を残してしまいます。
つまり、子どもの心の成長を考えると、
不仲な両親のそばで長い時間を過ごすのは
子どもの自己肯定感を損なう、という意味で、とてもリスクが高いのです。
それならば、たとえ両親そろっていなくても
そばにいる親が幸せで笑顔でいてくれること、
そして、もう片方の親もたまに会うときに幸せで楽しく過ごせること。
お父さんとお母さんは、夫婦ではないけれど
あなたのことを、とても大事に思っていること、あなたのことが大好きだということ。
そういうメッセージを伝えられる方が
子どもにとっては、必要のない罪悪感に苦しめられることなく
安心して自己肯定感を高めていけるのではないかと、私は感じています。
でも、いろんな事情があって
やっぱり離婚はできない、一緒に暮らしていくしかない場合もあると思います。
その場合は、どうせ一緒にいるならば
その間は、腹をくくって仲良く暮らす、
せめて、ふつうに日常会話ができるような家庭環境をつくることに
エネルギーを向けていただけるといいかなと思います。
愛情を取り戻す必要もないし、再構築したくないなら、しなくてもいい。
子どもが成長したら離婚する、でもいいと思います。
だからこそ、せめて一緒にいる間は、本当の意味で子どもの心を守る生活をすることが
理不尽な差別をする人に忖度するための結婚生活より
ずっとずっと、大切なことではないかなと思っています。
離婚前提でもとりあえず仲良く暮らしていきたい方は
こちらも参考にしてみてください。