【おさんぽ行くか!】 5.ふたりでひとつ | 日々コギ精進(仮)

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レオ…
ティーダ…
いつまでも君達を愛していますよ…

《ふたりでひとつ》
 

このりゅうさんのイラスト。

手押し車コギさんを見た瞬間に…

いや、ひと息ふた息ほど置いた後に、
ゆっくりと涙がこぼれ落ちた。

 

2019318日の写真ではティーダは普通に立っていた。おやつをチラつかせれば頑張って歩いていた頃だ。だいぶゆっくりではあったが、自らの力で歩いていた。

 

329日の写真では彼はハーネスを着けていた。急にやってきた後肢の麻痺。よくある白い粗品のタオルで急拵えしたハーネス。彼が歩くためにはそれが必要だった。

 

 


ハーネスを着けた彼が歩くためにはもうひとつのパーツが必要だった。それは私だ。彼の前脚の動きに合わせて、私がハーネスの両端を支えながら前後させる。りゅうさんのイラストの男の子と同じようなリズムで。「おいっちにー。おいっちにー」と。

 


元々、彼はしばらく歩いてふさわしい場所を探してからブツを出すタイプだった。それはハーネスを着けても変わらない習慣だった。彼にしっかりとブツを出して欲しい私は彼をなるべく歩かせようとする。「早く出してくれー早く出してくれー」と思ってしまう。すると彼を支えるハーネスを持つ手に自ずと力みが出る。その変化を彼は許してくれなかった。

 

彼はハーネスを動かす私のリズムが合わないとやる気を無くして座り込んだ。時にはその時間が30分にも及んだ。少しイラっとしてハーネスで腰を引っ張り上げようとしたこともある。でも彼は頑として譲らなかった。腰を上げようとはしなかった。もう下半身を意図的に動かすことなど出来ないはずなのに、なぜか彼の腰を持ち上げられなかった。

 

こちらとしては歩いて欲しい。

「はい、腰を上げてー。歩くよー」

「気に入らないから歩かん」

「いいから歩けよ」

「うんにゃ歩かんよ」

あいつは頑固者だった。

まったく…誰に似たんだか

 

不思議なもので、彼が歩く気になれば僅かばかりの力を込めてハーネスを持ち上げるだけで彼の腰はあっさりと持ち上げることができた。もう意図的に力を込めることが出来なくなった下半身なのに、まるで自ら動かしているかのように感じた。

 

ティーダと私、お互いの息が合った時、お互いのリズムが合った時は彼は軽くジョグするかのように歩くことが出来た。こっちが「おいおい大丈夫かよ?」と心配する程に元気に歩けた。
 

りゅうさんのイラストを見た時。

 

 

そうそう!こんな感じだった!

ティーダとこんな風に歩いてた!

お手製ハーネスを使ってさ!

それを思い出した。

 

一心同体…違うな

 

シンクロ…少し違うな

ユニゾン…うーん…違う…

 

全てが合っていることは合っている。

でも全てが少しずつだけ違う。

 

 

"ふたりでひとつ"

 

そう。それだ。そんな感じだった。

 

ティーダと"ふたりでひとつ"だった日々。

僅かひと月あまりの日々。

それを思い出した。

とても懐かしく思えた。

その懐かしさは身体に広がり、

やがて頬に温かさを伝え、

そして懐かしさが溢れた。

 

いつか彼のいる世界に辿り着いた時。

"ふたりでひとつ"

そう感じることを彼と一緒にしたい。

ハーネス歩行以外のことで。

あれは病気起因だから絶対に嫌だ。

 

某超有名ロボットアニメーション(あれはロボットではなく汎用人型決戦兵器だけど)の様にシンクロ率100%超えちゃうまでにならなくてもいい。

これまた超有名な実は戦闘民族系宇宙人だった主人公のアニメで、変なポーズをした後に人差し指同士を合わせると合体して別キャラになっちゃう、そんなことまではしなくてもいい。

 

普通に出来ることをしたいな。

お前とよくやったボール遊びでもいいな。

シンクロ率100%のボール遊びをしよう。

「サッカー観たいからこれで終わり」

そんなことはもう言わないからさ。

お前が「もう満足」って言うまで付き合うよ。

約束するよ…ティーダ…

 

 

※「えー?ホントに?」

 

 疑いの目を向けてくるティーダ

 ( ̄▽ ̄;)信じてない度93%くらい