「仕合せ」 | 幸福学

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社会学、心理学、宗教学などの、あらゆる学問を参照しつつ、個々人の幸福の在り方について考察していきます。

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古来より日本人は、「幸せ」という概念を、「仕合せ」と呼んでいたようです。


「仕合せは」、「めぐりあわせ」に近い表現です。

そこには、良い意味も悪い意味も含まれます。


運命と呼んでも良いかもしれません。


自分の状況と、他の状況が重なって「仕合せ」となります。

また、「し」は、動作や行いを表し、それらが合うことで「仕合せ」になるとも考えられます。
こちらは、能動的な意味を含んでいます。


どうやら、「仕合せ」には、能動的な性格と受動的な性格があるようです。


個人的には、能動的な「仕合せ」のほうが、主体性があって、良いと思うのですが、偶然、または他の計らいによる、「仕合せ」も、それはそれで、有難いと思います。



次に、「合わせ」について考えてみます。


「合わせ」という概念は、非常に日本的だと思います。


それは、現象と現象の、結合であり、協調であり、融合でもあります。
または、シンクロや、アンサンブルと言っても良いかも知れません。


「合わせ」の「わ」を「和」とすると、「合和せ」「相和する」となります。


「合わせ」という言葉を、肯定的にとらえるならば、それは、結合と協調、融合による、新しい価値の、創造行為であると言えるのではないでしょうか。


そのように考えると、「合わせ」という言葉は、日本古来の概念である「産霊」(むすび)に共通する部分があるのではないかと思います。


「産霊」(むすび)は、「産む」「霊」ですので、人間が潜在的に持っている、創造意志というものを大和言葉で表現したものであると思います。


また、「むすび」は「結び」でもありますので、現象と現象の結合を表しています。
これは、表面上の意味としての「合わせ」に近い表現です。


「合わせ」の根本に「産霊」(むすび)があるとするならば、「仕合せ」とは、人の行いを、潜在的な創造意志(産霊)に合わせ(結ぶ)ことによって、新しい感動や、生命を生み出す、非常にクリエイティブな、行いのことをいうのではないかと私は考えます。


また、人の行いである、「し」を「使命」であると解釈するならば、自己の性質、特性を、潜在的な創造意志(産霊)に、「合わせ」(結ぶ)た生業を行うことが、その人にとっての、人生の役割(使命)、「仕合せ」であると言えるかもしれません。


もっと簡単に言うと、自分に合った仕事を、前向きに行うということです。