あの日のキスと
「じゃあね」のキス
いつもは渋滞してる道も
休日の朝はスイスイで
あっという間にマンションに着いちゃうよ
私は
「もうここまで来ちゃった。もう着いちゃうじゃん」て悲しむ
フツーに日中デートしたい
今まで夜しか会っていない
夏のしたいことも何もしてない
花火も、かき氷も、海も
今度も、
日中のおでかけデートなしだったら、
私は会わない
今のままじゃ、
夜会うだけなんて、私はイヤ
幸せ、うれしい、たのしい、
そんな感じの隙間に、
ほんの少しの
さみしさと悲しさが見え隠れする帰り道が…キライ
だってキミは、
少しも寂しそうにみえないし、
メッチャクールだし
私は
いつでもどこでもイチャイチャしてたいのに
車では全然してくれなくなっちゃったもん
最初だけだったもん
別れ際の「じゃあね」のキスも
してくれたことないもん
だから帰り道がキライ
「私のこと、そんなにスキじゃないのかな…」って
哀しくなる時間だから
マンションについて、シートベルトを外した
運転席をみると
キミは私をみつめていた
優しい目でずっとみつめた
キミと私、
2人だけのスローな時間が流れるキミの車で
私たちは初めて「じゃあね」のキスをした
みつめあってからの何秒間が
私にはスローモーションに感じられた
キミの唇についた私のグロスを、
私が右手の親指で撫でて
2人は、
学生が初めてキスした時みたいに照れ笑いをした
初めて、会った日に、
信号待ちでキスした時、
こんなふうに2人で照れ笑いしたね
お互いあの日と変わらず
あの日よりもっと
大好きかもしれないね
2025/9月
