彼の塩対応
私は…限界だった
花火の帰り道
彼は上機嫌で
車で歌を歌いながら
彼は歌うのが好きだし上手
私は音痴だから
ニコニコしながら、助手席で
花火を観て
久しぶりに以前のように
過ごせたことに
幸せを感じられたひとときだった
彼の家に戻り
『出会った頃は、
屈託のない笑顔の彼だったなぁ』
と、隣にいる彼を見ながら思い
二人で正面を向いてテレビを見る…
ただ、
それだけで時間が過ぎていく
会話は無い
私がそうさせてしまったのかな…
隣にいるけど
とても遠くに感じる
そんな彼の態度が
私の弱りきった心
「もう私のこと
好きじゃないのかな」
「悲しい」
「寂しい」
が、まとわりついて
私の思考さえも
ダークな方へと引きずり込む
お泊まりデートのとき
いつも彼がお風呂の準備をしてくれる
私もまだ
勝手に自分の家のようにするのもどうかなぁ?
と、思うところがあって
必要以上に動かずにいた
〇〇やってと言われたらやる感じ
今日の彼は
「風呂くらい自分でできるだろ」と
言い方
前の彼は
こんなこと
言う人じゃなかった
これが本当の彼?
いや、違う
「そんな言い方しなくても」
という言葉は、私の頭にはなかった
ここ最近の
彼のLINEで
鍛えられて
そういうことでは
心は振り回されなくなっていた
『自分の普通』と
『他の人の普通』は違う
『何か理由があって、
今は冷たいだけ』
どう接するのが正解なのか
この頃のこういった彼の態度は
ただ単に、ほんとにイラついてたのか
私を試してたのか…
わからないけど
私は自分のホントの気持ちを
押し殺して飲み込んで
自分の気持ちに嘘ついて
大丈夫なフリして
普通を装ってた
彼を怒らせないように
それが良くなかったのかもしれない
本心じゃないのが見透かされてたのかもしれない
イヤ、悲しいって伝えて欲しかったのかもしれない
本心を知りたかったからかもしれない
いっぱいいっぱいになってた私は
その時はそこまで考えられなかったし
自分に自信がなかったから…
その後も
何かするたび
私が何か言うたび
冷たい言い方で
塩対応
…
……
慣れてた
慣れたつもりだった
でも
私は
…
自爆した
2024/8/10
