遠行雑記-356
十年ほど前に当ブログに《感子故意長》という記事を掲載しました。今回、久しぶりに同じ思いを体験したので《part2》として記事にしました。感子故意長という言葉はあまり馴染みがありませんし、そのまま眺めていてもなかなか意味が分からないので、今回の記事で十年ぶりにキチンと説明させて頂きます。
絶句(漢詩の詩型のひとつ)で有名な杜甫(とほ)が役人となっていた40代後半の頃、古い友人の衞八(えいはち)と二十年ぶりに再会した時の思いを綴った《贈衞八處士》(衛八処士に贈る)という五言詩があります。二十年という長い時を隔てての再会にもかかわらず、訪問してきた杜甫を衛八が家族とともに暖かく迎えてくれたことへの感動を詠った良い詩です。《感子故意長》はその詩の中の一節であって、
「子が故意の長きに感ず」と読み、
子(し):処士(役人の資格を持った人、ここでは衞八のこと)
故意:「わざと」という意味は全く無く、「古くからの友情」という意味
感ず:感じ入る。感激する。
全体で、「あなたの長く続く友情にただただ感激するのである」ということになります。
今回、十年前とは別人ですが、もう何年も会っていない瀬戸内の島に住む友人を訪ね、旧交を温め盃を交わすことにしたのです…。
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久しぶりに瀬戸内地方にやって来ました。友人と会うのは今宵のことなので、その前にどこか観光しようと朝早くから移動を開始して午前中に『倉敷美観地区』に到着。まずはさっと観光することにしました。
以前はよく来たものですが、コロナのおかげですっかり足が遠のいてしまいました。
だいぶ賑やかさが戻ってきましたね。ここはJR倉敷駅からぶらぶら徒歩で来られるので観光散歩には打って付けです。
屋根瓦の色が特徴的な『有隣荘』も久々に見ました。
『倉敷物語館』は旅人のオアシス。入場無料で休憩や用足しに利用できます。
門をくぐると広場があって倉敷らしい雰囲気の建物が立っています。中にはトイレのほか展示室や会議室もあります。
今日はちょっと暑いのですが、気候の良い春先や秋にはこういう場所で日がな一日、本でも読んでいたいという気分になりますね。
倉敷といえば白壁の街。その昔は民が納めるための年貢を保管する地域だったということで、実際に倉が沢山あったそうですよ。
この独特な『なまこ壁』。英語で何と言うのかナァ?
(向こうにいる外人に訊かれる前に移動しようっと )
『ちかみち』という格子戸があったのでくぐってみます。
路地に出ました。
観光客が好きそうな路地裏です。
路地から『倉敷本通り』という商店街に出ました。
私には賑わいすぎる美観地区の川沿いの通りより商店街通りのほうが性に合っているようです。
『倉敷アイビースクエア』のこの一角は、秋になると蔦の紅葉や枯葉の絨毯で何とも言えない良い雰囲気になるのですが、今の時期はただただ青々としています。
早朝から何も喰っていないのでさすがに腹が減りました。美観地区は観光客でいっぱいですが何とか空いている店をみつけて飛び込みました。
「これこれ! いいじゃないの~ 」
「そしてこれもネ 」
「ブッファ~! やめられ~ん 」
今宵も飲むんじゃろ? (-_-メ)
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