先日、職場のキウイの若い男の子が、こんな質問をサウスアフリカ人の60代の女性に聞いていた。
たまたまそこに居合わせた私は、興味深くその答えを待った。
すると、ネバー!
とその女性は答え、
もちろん、私の兄弟はあちらにいるから会いたいけど、
自分が戻って住もうとは思わない。と、きっぱり。
実は、この職場、結構サウスアフリカからの移民が多く、
もう一人のサウスアフリカ人女性も、全く答えは同じだった。
滅多に雑談には加わらない私だが、
これは、すごく面白い質問だ。と口を挟み、
若い男の子は、(多分しょーがなく)私にも、質問を振って来た。
私は、即、もちろん帰るよ!と答えるべきところだったが、実は考え込んでしまった。
そうだなあ、帰りたいけど、、、どうかな、と。
宝くじに当たっていれば、まずその後一生遊んで暮らせる、か。
それでも、なんとなく経済的な不安がある。
それは、日本の老後に関する福祉が、あまりにも先行き不透明だから。
そして、その独特な習慣に従うには、かなりの制約が出て来る。
中元、歳暮、年賀状、慶弔のお金のやりとり、半返し、エトセトラ。
自分たちの生活を差し置いてでも、交際費は削らない習慣について、
旦那とどれだけ口論になったか、わからない。
が、確かに給料でカツカツの生活をしている人が、
例えば、上司の息子さんの結婚式に夫婦で呼ばれて、ご祝儀10万包むなんて、
理論的に正しくない、と感じてしまうことに、今から戻るのは、かなりきついかもしれない。
ところがそれに沿わなければ、出る杭は打たれ、住みにくさ、生きにくさを感じるようになるだろう。
変に、見えるようになってしまっているから、
答えに詰まってしまう。
40代までなら、迷わず帰る!と言えていただろうに。
ちょっと、我ながら驚いている。
もっとも、先日の社会保障条約のことも頭にあるから、
帰ることに対する諦めと覚悟を固めつつあるのも事実かもしれない。
一縷の望みを抱えながら、今週末も宝くじを買う。