新国立劇場
『デカローグ』プログラムC
原作:クシシュトフ・キェシロフスキ、クシシュトフ・ピェシェヴィチ
翻訳:久山宏一 上演台本:須貝英
演出:小川絵梨子(デカローグ5)、上村聡史(デカローグ6)
美術:針生康 映像:栗山聡之 照明:松本大介 音楽:阿部海太郎 音響:加藤温
衣裳:前田文子 ヘアメイク:鎌田直樹
演出助手:長町多寿子(デカローグ5 )、西祐子(デカローグ6)、中嶋彩乃
舞台監督:濵野貴彦、清水浩志
総合舞台監督:齋藤英明
演出部:大平扶紀子、杉田健介、小玉珠成、三上洋介、小野寺栞、伊藤春樹
衣裳部:山中麻耶、天野文子、安河内瞳、山中由佳
ヘアメイク:前田亜耶
映像操作:オングストローム 安里奈保見、小池夏海
音響助手:浅野直斗
ヘアメイク助手:田中順子 、岩田知世
稽古場代役&プロンプ:村上佳、キクチカンキ
制作助手:林弥生、小川真理
制作:永田聖子、中柄毅志、伊澤雅子
プロデューサー:茂木令子、三崎力
デカローグ5「ある殺人に関する物語」
出演:
福崎那由他(ヤツェク)
渋谷謙人(弁護士ピョトル)
寺十吾(タクシー運転手ヴァルデマル/神父)
斉藤直樹(広場にいる老人/試験官/検事)
内田健介(映写係(声のみ)/写真店の店員/刑務所長)
名越志保(映画館の窓口の女/裁判長/医師)
田中亨(係官(声のみ)/喫茶店の店員/看守長)
坂本慶介(若い夫(2話アンジェイ)/酔っ払いの男性/執行官)
亀田佳明(男)STORY
20歳の青年ヤツェクは、街中で見かけた中年のタクシー運転手ヴァルデマルのタクシーに乗り込み、人気のない野原で運転手の首を絞め、命乞いする彼に馬乗りになり石で撲殺する。殺人により法廷で裁かれることになったヤツェクの弁護を担当したのは、新米弁護士のピョトルだった......。【公式サイトより】
デカローグ6「ある愛に関する物語」
出演:
仙名彩世(マグダ)
田中亨(トメク)
寺十吾(郵便局長)
名越志保(トメクの友人の母親マリア)
斉藤直樹(黒いスーツの男(恋人1)、/革ジャンの男(恋人2)/髭の男(恋人3))
内田健介(売店の店員/ガス会社の保安調査員/郵便配達員(ヴァツェク))
亀田佳明(白いスーツの男/代わりの窓口の局員)
STORY
友人の母親と暮らす19歳の孤児トメクは、地元の郵便局に勤めている。彼は向かいに住む30代の魅力的な女性マグダの生活を日々望遠鏡で覗き見ていた。マグダと鉢合わせしたトメクは、彼女に愛を告白するが、自分に何を求めているのかとマグダに問われてもトメクは答えられない。その後デートをした二人、マグダはトメクを部屋に招き入れるが......。【公式サイトより】
舞台はプログラムA、Bに出てきた建物を下手手前から斜めに配し、デカローグ6では上手側にマグダが住む建物が追加される。
デカローグ5は『殺人に関する短いフィルム』、デカローグ6は『愛に関する短いフィルム』の基となったエピソードだが、やはりデカローグ5は殺人が描かれているという点において全体の中においても異質な感じがする。
寺十吾さんは適役ではあるのだけど、最近こういう役ばかり見ているような気もするので久し振りに弥次さんのようなお人よしキャラが見てぇやな。
個人的にはデカローグ6の方が気に入った。
下手の1階部分がトメクとマリアが暮らす部屋、上手の2階部分がマグダの暮らす部屋というところからして、最初から両者の釣り合いが取れていないことが示唆されている。トメクが覗いていることを知って戸惑うマリアがいい味を出していた(このマグダとマリアという命名も意味があるのだろうけど、解釈できるほどの聖書の知識がなく……)。
上演時間2時間20分(「デカローグ5」55分、休憩20分、「デカローグ6」1時間5分)。