Yonbun-Mihama演劇コレクション
三浜文化会館演劇制作公演
『でたらめな神話』
2023年1月10日(火)・11日(水)
四日市市文化会館第1ホール 舞台上舞台
作・演出:土田英生(MONO)
舞台美術・宣伝美術:田岡一遠
美術製作:小森祐美加 音響:山際一輝
照明:馬場祥 音楽:園田容子
演出助手:松本広子 舞台監督:山中秀一
制作:宮璃アリ、鄭慶一
出演:
渡辺啓太[MONO](横須賀充)
松永渚(パン屋・南かおり)
岡嶋秀昭(佐々木誠一)
宮璃アリ[少年王者舘](妻・佐々木真知子)
中村栄美子[少年王者舘](真知子の姉・丸山祐未子)
土田英生[MONO](祐未子の夫・丸山隆)
マキノノゾミ(祐未子と真知子の父・黒木要三)
立川茜[MONO](かおりの友人・伊豆本絵里奈)
STORY
四日市市から車で三十分ほどの場所にあるらしい『樅ノ町』。樅の巨木と無農薬野菜が売りだと謳っているこの町に、一人の男が移住してきた。彼は地元の製薬会社による研究施設建設計画への反対運動に参加する。しかし、この彼の存在がきっかけとなって、地元の人間関係が少しずつ崩れていく。【公式サイトより】
昨年8月に上演が予定されていた作品の延期公演を配信にて(11日収録)。
宮崎県立劇場プロデュース公演として2017年に上演された『板子乗降臨』を三重県に舞台を移し、土田さん自ら演出してリメイク。
舞台は「アオヤネ建設に反対する会」の事務所。下手にガラス戸。入ってすぐに事務机。中央奥に階段。上手半分は一段高くなっていて、応接セットや棚、上手側の壁に窓。中央に柱時計。建物上部には木々。
土田英生さんの作品にマキノノゾミさんと岡嶋秀昭さんが出演という京都にゆかりのある方々もさることながら、MONO+少年王者舘の面々と個人的には堪らない座組。宮璃アリさんが普通の女性を演じているのが新鮮。笑
物語の中心となるのが、地元の製薬会社・伊藤ケミカルが予定している研究施設アオヤネの建設をめぐる問題。樅ノ町に生まれ育った誠一はパン屋のかおりとともに反対派の中心人物だが、誠一の妻・真知子の姉は夫が伊藤ケミカルに勤めていることもあり、反対派に協力的な父親に翻意を迫る。
小さなコミュニティがこうした問題で分断されるというのはよくあることだろうが、藤沢市出身の横須賀充がやってくることから、反対派の中でも人間関係に亀裂が生じる。
…と書くと社会派な感じもするが、その実、亀裂の原因は誠一のかおりに対する邪な思い。元々アオヤネ建設に賛成だった彼が反対運動を始めたのも、かおりに好意を寄せていたからなのだが、かおりが横須賀と付き合い始めたと知るやあからさまに機嫌を損ね、やる気をなくしてしまう。分かりやすいおっさんだな。笑
横須賀も町を離れることになるが、MONOに出演経験もある四日市市出身の松永渚さんが反対派の中でひとり芯を貫く人物として際立っていた。
配信時間1時間35分。