『最後の戦斗機』
1956年日本映画 90分
監督:野口博志
製作:大塚和
原作:谷本敏雄(三笠書房 版 「黒い河」より) 脚本:川瀬治、佐治乾、大塚道夫
撮影:永塚一栄 照明:河野愛三 録音:高橋三郎
美術:松山崇 音楽:牧野由大可 編集:辻井正則
助監督:鈴木康久 特殊撮影:日活特殊技術部 製作主任:加東義
出演:葉山良二(白井等中尉)、芦川いづみ(白井の恋人・真山則子)、大坂志郎(副官・遠藤中尉)、牧真介(清水慎一二飛曹)、河野弘(星宏中尉)、弘松三郎(黒岩中尉)、西村晃(司令・関根少佐)、長弘(三木正晴中尉)、中原啓七(松下進中尉)、植村謙二郎(参謀・双葉中佐)、渡辺美佐子(あき子)、高友子(慎一の従姉・清水宏子)、雨宮節子(久美)、広岡三栄子(澄江)、原緋紗子[原ひさ子](西河の母)、高野由美(慎一の伯母、宏子の母・清水八重)、北林谷栄(“ちよもと”の女将)、須藤孝(西河三郎二飛曹)、美川洋一郎(高級将校)、峰三平(軍人)、雪岡純(井口電信員)、神山勝(金田中尉)、林茂朗(松本二飛曹)、高品格(整備兵・山本)、青木富夫(整備兵)、黒田剛(航空隊隊員・今村)、速水脩二(同・竹内)、八島州成(秋山中尉)、今村弘(予科練出身の下士官)、坪井謙二、八代康二(西村中尉)、福田トヨ(女中)、辰野水美(“ちよもと”の女中)、津田朝子(町子)、有川みさを(やえ)、加納桂(航空隊隊員)、山路武伸(伝令)、加藤義朗(航空隊隊員・新井)
STORY
終戦近い小高特攻基地。情報係白井中尉始め殆んどの士官は、予備学生出身の若い将校である。だが着任早々の基地司令関根少佐は下士官上りで、南方作戦の失敗を取戻そうと必死。副官の遠藤中尉は、大学時代からの親友白井が、出撃に加われぬと焦立つのを心配していた。ある日、鹿屋の艦攻司令部から補充の戦闘機が来る。司令部から来た参謀双葉中佐に、関根は「御期待に添います」と思いつめた表情で言う。やがて菊水十号作戦、第三次特攻隊員の氏名が発表。白井が可愛がっていた清水二飛曹も出撃する。白井が飛行場の一隅で恋人則子を想う中、士官達のよく行くちよもとの芸者あき子が背後に立つ。彼女は反戦的ではあるが真面目な彼に心惹かれていた。その時、グラマン機の来襲。戦死した三木中尉に代って白井が出撃を志願、関根司令は喜ぶが遠藤は驚いた。出撃の日。白井は前日、東京から逢いに来た則子に何も言わなかった。同乗の清水二飛曹も秘かに慕う従姉・宏子に別れを告げ、特攻隊員は基地を飛び立つ。絶好の飛行日和。敵機動部隊に突入する各機。だが白井機は油槽の故障で海上に着水、清水二飛曹は溺死する。一週間後、すでに二階級特進で軍神となった白井の生還に司令部は驚き、軍の名誉のため第四次特攻隊参加を命じる。だが白井は片翼を失いながら再度帰還。彼は出撃を知った則子が入水自殺したと聞き驚く。双葉参謀は軍のため白井銃殺を伝達するが、遠藤は関根を説得し白井を次の出撃に参加させる。その夜、ちよもとであき子は泥酔し関根に絡み、激怒した関根に殴られる。別の部屋で飲んでいた白井と遠藤がやってくると関根は拳銃を出して出撃が嫌なら死ねと白井に迫る。あき子は思わず拳銃で関根を撃ち、関根は部屋に飾ってあった刀であき子を斬りつける。翌日、遠藤は白井の戦闘機に同乗することを自ら志願。二人を乗せた戦闘機は白雲の彼方に消えて行った。【「KINENOTE」に加筆修正】
戦後最大の戦争映画第一弾。GyaO!にて無料配信中。
描かれるのは特攻隊の若者たち。
主人公・白井は通信兵だったが、自ら出撃を志願。
戦死したかと思われて軍神となった白井は生還し、次の出撃でも生き延びる。
映画は3度目の出撃に向かうところで終わるが、まるで鴻上尚史さんの『不死身の特攻兵』に書かれた佐々木友次さんのよう。
若干、特攻隊をヒロイックに描き過ぎているような感じもするが、渡辺美佐子さん扮する“ちよもと”の芸者・あき子が軍部を批判する存在として映画全体のアクセントにもなっていた。
あき子は白井に自決を迫る西村黄門…じゃない、晃さん扮する司令・関根を撃ち、刀で斬りつけられてしまう(「KINENOTE」のあらすじは終盤がだいぶ異なる)のだが、渡辺美佐子さんはこういう役がよく似合うよねぇ。
芦川いづみさんは主人公の恋人役だが、あまり出番は多くない。
1956年というと『風船』や『洲崎パラダイス 赤信号』と同じ年で、若干幼さが残る。
最初に白井が出撃した後、崖から身投げしてしまう。うう。

