死神と言葉

今夜も大きな刃を持った死神が
都会の夜の闇と影に潜み
人間達でごった返す街を移動する
人間は何かと言葉の響きに弱くて
自分達が作った言葉に支配される
人間は何かを作る技術を持つだけで
機械のようには正しく扱い切れない
自分の事ばかりを考える内に乱れて
こじつけでも良くなれば堕ちた物だ
意味など決まってる言葉も形無しで
理屈通りに動けない欠点の末だろう
物は言いようの人間達は腐り続けて
形のない言葉の大切さを忘れて行く
言葉に頼り切りになり自分を失い
嘘でも良くなれば縋り切った物だ
人間が使う言葉に人間が使われる
言葉に人間が囚われた果てだろう
疑うだけになれば言葉に効力はなく
人間が作った言葉に人間が作られる
何の為に作ったのか虚しい物だろう
そう呟くと死神は暗闇に紛れ移動する
言葉の虜になる人間には弱さが目立つ
中身のない飾り物には何があるのか?
この刃も斬れないなら怖くないだろう
見掛けだけの飾り物では何も出来ない
だが怖くない間に弱さを叩き斬るのみ
それまでの短い時の為に縋ってるのだ
哀れな人間はどこまでも堕ちるらしい
そう囁くと死神は夜闇に潜み移動する
言葉は私が作り出した物ではないが
かつて人間だった私は絶望したのは
言葉を信じ切ったからかも知れない
それでも死神となった事に悔いはない
そう言うと死神は夜の彼方に姿を消す