独眼の思考

ぶっ放された声の砲弾の威力に
切られまくる縁と斬りまくる身
力なき知恵で屈して捩り捩る中
吊り下げられた甘い希望を握り
また騙り尽くされて遺棄される
蒼い闇に研ぎ澄まされた感覚は
鋭過ぎるほど鋭敏に恐怖を捉え
何倍にも膨張した不安を喰らう
常時万全の害に裏切る態勢の中
高速落下して来る不幸が嘲笑い
満たされない心を何で埋める?
大した重みのない想いが舞って
曇った心で迷い真面目に堕ちる
弾け飛んだ硝子細工の心を拾い
そんな我楽多が一体何になる?
芥では何も組み上がりはしない
賢く這い上がる影を眺めながら
間抜けなあまり光を取り逃がし
何も変えられない内に流れる時
狂った時計の針は直らないまま
灯の当たらない闇黒の底で哭く
思考に駈られて狩られる心の中
森羅万象に呻き声が消えて行く
掟破りの人類を差し置いて迷い
捥がれた世界を彷徨い続ける中
裏側に潜む真実を見い出せない
理論に踊らされた独眼の思考で
今夜もちゃちな作り話を信じて
無意味な砂丘に埋め尽くされる
終わってる思考能力で考え続け
壁伝いに進んでも道は増えない
有りもしない価値を求めて惑い
見付かりっこないのに探し続け
定められた運命に阻まれる儚さ
滾る己の意志で空論を焼き払え