紅い世界

人に迷惑を掛けてはいけないと
絶対の我慢を握り締め走り続け
溜め続けたストレスが牙を剥き
吹き出す紅い想いに世界が覆る
嫉妬に憎悪が絡んだ渦に飲まれ
灼熱の闇が心に踊り出しながら
全てが許せなくなる紅い世界に
余裕を削られ心を狭められ続け
心の底から唸り出す感情が躍り
噂も嘘も何もかも真実に化ける
蒼い不憫だけが擦り抜けながら
次々と感じる物に敵意が向いて
限界の針が境に吊られて揺れる
醜い心に煌めく光景が襲い続け
嫌みな想いが心の中で燥ぎ回り
汚物の感情を渾身の忍耐なんて
赤子の手を捻るように潰されて
視える物に目掛けて沸き散らし
下種な想いが舞い上がっている
片っ端から害意が脳裏を過ぎり
輝く全てに指摘に対論に悪態に
自分の捻くれた根性が顔を出し
心にへばり付いて離れないまま
放とうものならダイナマイトだ
築き上げた日々が壊れるような
惨めな態度を内心に閉じ込めろ
暴れ出した心情に弄ばれながら
迫り来る惨めな未来への切符に
去来する過去が一気に崩壊させ
一つずつ綺麗さを投げ出させる
限度を迎える刻まで待つように
ただただ堪え続けるんじゃなく
心の中で躍る邪を虱潰しにして
幾度となく滅ぼして保ってやれ
暴走の先に見苦しい自分が待つ