想いの躯

何かが起こっている真只中に
次々と感情に流される人々に
無数の想いが生まれながらも
時が経つと冷めて行く人々に
無数の想いが躯になって行く
出来事が想いの増殖炉と化し
巡る時が想いの焼却炉と化す
それは忘れ去られる宿命の想い
ただトリガーにされる出来事
一体何の為に何かを感じた?
それは単なる想起のトリガー
一体何の為に何かを想った?
永遠に消えると困るトリガー
繰り返されている出来事は
人間の闇に仕組まれた謀で
戦慄が駆け巡る残酷な真実
蒼い旋律が鳴り響く中
必ず生贄を必要とする人間は
誰かを生贄に捧げて想起する
何かの想いを嬲り殺しにして
人々の不幸を糧にして生きる
失望に満ち溢れている世界の中
全ては無くならないんじゃない
愚かな人間が無くせないだけだ
動機が哀し過ぎて活かせずに
使い古しの教訓が砕け散って
ただ流されて時を無駄にする
結局は一喜一憂しているだけ
降り頻る絶望の漆黒の雨の中
人間が生み出す罪の十字架が
世界中に建ち並んでいるんだ
使い捨てにされた想いの山に
欺かれたと人々が騒ぎ出して
次の出来事が起こり輪廻する