同期という言葉に反骨心のようなものと羨ましさというものを持っている。
実演販売の道に進んだレジェンドには同期どころか20代すら皆無であった。
だからなのか、講習開始から一時間置きの休憩で、みんなが探り探りで質問を仕合い距離を縮めていくことに楽しさと気恥ずかしさがある。
積極的には話し合いに参加しないがいつ何時どんな質問がきてもいいように準備は怠らない。
当たり前のように好きな女性のタイプは?
彼女はいるのか?
といった当たり障りのない会話で盛り上がっている。
一見興味がなさそうなそぶりをみせるが、誰よりも話しかけてもらうことを心待ちにしている。
明らかに浮いてるオッサンにも平等に質問がくる。
あきらかに社交辞令であったが、それはそれでうれしいのである。
「松下さん彼女は?」
「もうすぐ子供が生まれます。」
明らかなるオッサンの明らかなる新入社員離れした回答に年齢以上の距離を作ってしまったことは否めない。
一瞬の微妙な空気の後、恒例の○○に似ているトークへと続いてく。
みんなソフトボールの上野やら巨人の内海やらに似ていると旬な名前が飛び交うなか、レジェンドへ注がれる熱い眼差し。
人間窮地に追い込まれると最悪の状況を想定する。
かつてカズやらイチローに似ていると言われていた10代の栄光は当にぬぎさり、今は若乃花やホリエモンというレッテルはしかと準備してある。
ただ昭和60年代生まれからのレジェンドの姿は30代ではなく40代に映るのか。
「松木安太郎」
その初聴で驚愕の人選に情けなさがこみあげる。
情けねぇ。
時代が泣いている。
うぉうぉうぉうぉうぉ~。
次回【実演販売士カミングアウト】編
請う!ご期待!