意思決定のための「見える化」と企業法務 | 日々、リーガルプラクティス。

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中心として徒然なるままに綴る企業法務ブログです。
週末を中心に、不定期に更新。
現在、上場企業で法務を担当、
米国ロースクール(LL.M.)卒業し
CAL Bar Exam合格を目指しています。

表題の件について、最近色々考えさせられています。

今年の株主総会終了後から、取締役会に同席するようになりました。事務局的な立場で、です。社外取締役が入ってからの取締役会、ということで非常に勉強になっています。

それで、そんな中で最近思うのが、(言葉にすると当たり前すぎて怖いのですが、)取締役会が意思決定を行うために必要な情報を「見える化」することの重要性と、法務がリスク回避のためにそれを「見えない化」しないように気をつけないといけない、ということ。

例えばとあるプロジェクトをある企業Aと合同でやろうとしているとします。その企業Aとやろうとしているプロジェクトは、X、Y、Z、という3つあると仮定します。

似ている側面のある各プロジェクトなので、契約書が一緒になっている部分と、別になっている部分と、双方あるとします。当該契約書のレビューと、ビジネスモデルに関するレビューについて、法務が意見を述べる必要性があるとします。

こんなとき、リスク回避の観点から、一方のプロジェクトXの状況によってその他のプロジェクトY、Zの双方の義務や権利を変動させることができるような条件を加えることを検討するようなことを法務としては考えたくなるようなことってありますよね。

でも、このやり方によっては、現場の数値管理のプロセスとかシステムの状況によるとは思いますが、結局どのプロジェクトが上手くいったのか、いかなかったのか。よく分からなくなる可能性があります。上手くいったとしたらなぜなのか、上手くいかなかったとすれば、どのあたりに問題があったのか、どのくらいが引き際なのか。こういったことを意思決定するポジションの人にとっての結果・原因分析を阻害する可能性が法務にある、ということは念頭においておかないとな、と感じています。



「見える化」のための会計・ファイナンスの理解の重要性


あと、「見える化」を念頭におくと、やはり会計とかファイナンスの理解は重要ですよね。改めて感じています。

プロジェクトによってはP/L上での大きなインパクトがあるもの、キャッシュフローベースでインパクトがあるもの、など様々ですよね。例えば、キャッシュフロー上でメリットがあってP/L上ではあまりメリットがないけれども、リスクとしてはP/Lに出てくる、というものもあると思います。はたまた税効果としてのメリットデメリットがある場合もあります。このような場合、何がリスクなのか、ということを明確化すれば、意思決定の観点も変わってきます。また、そもそも現在の当社において何を大事にしたいのか?という前提に関して問題提起したり確認をしたうえで法務としての考えを提言する、というほうがいいことも少なくないかと思っています。

ファイナンス理論でいかに現在価値(NPV)が重要とはいえ、どんな場面でもそれが当てはまるかといえば、企業の各々の状況によって実際はそう簡単ではないかと思います。「大事にしたいことが何か」という前提が経営側とずれたままで意見を言ってもよくないな、と思うと、こういうのも大事だな、とやはり思います。

逆に、こういう点にも気をつけつつ、かつ会計とか税務、ファイナンスのあたりを理解したうえで法務業務に携わっていると、「見える化」を念頭に置いたリスクの抽出、提言とかをきちんとできるようになるのなかー、と思って、色々と勉強しています。

。。。Bar Examがきちんと合格して、こういうことの勉強に注力できるようになるといいのですが。。。(苦笑)