請負契約・準委任契約における損害賠償請求の請求期間・起算点 | 日々、リーガルプラクティス。

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表題の件について、ブログ『企業法務マンサバイバル』で管理人のHashizumeさんが書かれていたのを見ました。色々と興味深いからか、同ブログでの前回の同様のテーマに関する投稿と同じく、コメントがけっこうありますね。Hashizumeさん、本当にお疲れ様です。。。

ちょっとふと思ったことをメモしておこうかと。

自分はあまりIT系の契約を担当することはありませんが、請負や準委任の契約の場合における瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求権と、債務不履行責任に基づく損害賠償請求権との違いは、けっこう興味深いですね。

それで思ったのですが、ユーザの立場からすると、ベンダ側が債務不履行に基づく損害賠償請求権の期間の制限を仮にしていなかったとしても、別の条項で特別損害の賠償に関する制限の条項を規定されてしまうと、結局債務不履行に基づく損害賠償ができなくなる可能性が高くなるので要注意な気がします。

必ず、とは言えないかと思いますが、請負契約等において瑕疵修補請求と共にする(請求時期によっては、瑕疵修補請求はできないものの、債務不履行に基づく損害賠償請求だけできる場合も理論上ありそうな気がしますが、実際にそんなケースがあるかはよく分かってません)損害賠償請求の場合は、通常損害よりも特別損害の場合が多い気もするので、こういったトリックにひっかからないようにする必要がある気もしました。勘違いしていなければよいのですが。。。


"仕様との不一致"と"瑕疵"との違いに関する落とし穴


あと、ちょっと話はずれますが、、、IT契約とかシステム開発契約の場合もあるかと思いますが、電子部品の売買契約でも、仕様に記載のない事項なんだけれども、納入された物が通常有すべき品質・性能を欠いている、と買主側からすれば言える一方、売主側から反論される場合が、やっぱり面倒ですよね(買主の立場の場合特に。また、瑕疵担保ではなくて債務不履行の話になれば、仕様に記載がなかった点と過失の有無の問題との絡みから、更に困ります)。

それで法務担当者からすると、買主の立場の場合、契約書での品質保証に関する条項などで、仕様との一致のみを約束させるのではなく、仕様に記載のない事項であっても、品質に問題があれば責任を負え、と要求し交渉するのに骨を折りつつも注力する場合があるかと思います。

しかし、実は注意が必要だと感じているのが、仕様書と契約書との相違です。電子部品業界では実務上、買主が「購入仕様書」を売主側に提出した後に、売主側が「納入仕様書」を差し入れることが多いかと思いますが、この納入仕様書に「本仕様に記載のない事項については保証できません」とか、そういった類のことが記載されているかもしれない、ということを念頭に置いておかないと、痛い目に合うことがあるかと。特に購入仕様書は両者の押印を押さないことが多く、逆に納入仕様書には、買主の押印を押すことが多いと思いますが、そうするとこの納入仕様書が1つの個別契約になるので、基本契約書で「基本契約と個別契約との間に相違がある場合は、個別契約を優先して適用する」なんて条項があると、先ほど述べたような契約交渉が徒労に終わる可能性があります(過去の仕様合意であれば、完全合意条項で対応できる場合があるかもしれませんが、基本契約締結後に合意する納入仕様書であればそうはいかない)。

だから本当は、買主の立場からすると、日本国内企業と締結する契約書においては(海外だと売主の見積書とか注文請書やその類のレターに色々記載されていることが多く、またちょっと訳が違うかと)、買主が発行している注文請書や見積書等に変なことが書いていないかをきっちり確認したうえで、「基本契約と甲乙が合意した注文書の内容との間に相違がある場合は、注文書の内容を優先して適用するものとし、それ以外の個別契約と基本契約の内容との間に相違がある場合は、基本契約を優先して適用するものとする」といった定めを置くほうが安全な気がしています。(全部基本契約優先でもいいですが、現場が基本契約締結後、支払期間の交渉をして途中でそれを変更したりすると、何かあった場合に厄介な気もしなくもない。)

調達側の契約の審査を担当している法務担当者は、IT契約に限らず、仕様書とか注文書の隅々をチェックせんと、あかんなぁ、という気がしています(逆に購入仕様書にめちゃくちゃ有利な内容が書いてあったりすることもあるので、その場合は購入仕様書と納入仕様書の適用の関係を基本契約で定めることを検討したりすることもありますしね)が、そんなことを改めて思い返させてくれた、ブログ『企業法務マンサバイバル』でした。Hashizumeさん、ありがとうございました。

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