弁護士倫理とソーシャルメディア(SNS)と企業法務 | 日々、リーガルプラクティス。

日々、リーガルプラクティス。

企業法務、英文契約、アメリカ法の勉強を
中心として徒然なるままに綴る企業法務ブログです。
週末を中心に、不定期に更新。
現在、上場企業で法務を担当、
米国ロースクール(LL.M.)卒業し
CAL Bar Exam合格を目指しています。


テーマ:
今日も子供の微妙な夜鳴きが続き、3時30分頃目が覚めてしまい、起きてみました。そこで、昨日の講義の復習をしつつ、ロースクール(FCSL)の講義を聞き始める前に、今の講義に関連して前に思ったこととか気づいたことについて書き残しておこうかな、と思い、今日は表題の件について投稿しています。

私は現在、ロースクールでProfessional Responsibility(法曹倫理)の講義を受けています。アメリカの各州の弁護士倫理規程を始めとした法曹倫理規定は日本の弁護士倫理規定(「弁護士職務基本規程」)よりも非常に詳細な内容となっていて、アメリカの各州の弁護士資格を取得するためには、州ごとの弁護士試験(Bar Exam)の受験とは別に、全州統一の法曹倫理試験(Multistate Professional Responsibility Examination (MPRE))に合格する必要があります(なお今まで知りませんでしたが、ウィスコンシン州やメリーランド州、プエルトリコではMPREの受験は不要とされているんですね。ワシントン州でも今年の7月から始めてMPREの合格を必須とするようです。また、コネチカット州やニュージャージ州などでは、JDにてロースクールを卒業した人でロースクールのProfessional Responsibilityの科目で一定以上の成績を取得している場合にはMPREを免除したりしているようです)。MPREは2時間5分(だったかな?)・60問の択一問題で構成されています。

それで、今のロースクールの講義ではあまり扱わなさそうですが、アメリカにおいて実務的な弁護士倫理の大きな問題の1つとして少し前に注目されたのが、ソーシャルメディアにおける証拠収集と弁護士倫理です。ここでは詳細には取り上げませんが、いくつかの州のState Bar Associationまたはそれよりも小さい地域であるCityレベル(例:New York City Bar)において、ソーシャルメディアにおける弁護士の証拠収集と弁護士倫理に関してそれぞれ公式な意見(Official Opinion)を1~2年ほど前に表明しているようです(こういった各州や地域レベルでの公式表明については、最近だと弁護士がクラウドを利用することについての是非に関するものとかがありますね)。自分が「へぇ」と思ったのは、多くの公式表明において、例えばフェイスブックなどにおいて訴訟当事者または証人に"Friend"("友達"に追加)して証拠収集してはならない、とされていたことと、その例外が詳細に規定されていたことです。関連する多くの論文・文献で"Friend"という表題が使われていました。自分のiphoneアプリで日々利用しているロングマンの英英辞典で調べてみたら、friendの動詞形が、"to add someone to your list of friends on a social networking site"と定義されいていて、これについても「へぇそうなんだ」、と思ったことを覚えています。

また、弁護士倫理とソーシャルメディアに関連して、自分にとって非常に興味深く、いつかBar Examでも出題されたりするんじゃないか、と思っているのが、証拠法との関連です。すでに証拠法の講義は受講し終わっていたこともあり、ソーシャルメディアにおける証拠収集、というテーマを考えてみたときに、「あれ、フェイスブックとかで証拠収集する、と言ってもauthenticationの問題があったり、Hearsayに該当してImpeachment以外の目的でadmissibleな証拠として利用することはできないんじゃ」という疑問がありました。authenticationの問題は多少難ありなのでしょうが、Hearsayについては、「やっぱりImpeachmentで利用することが多いので、Hearsayに該当することは実務的には問題とならないのかな」と思っていましたが、そのことを含めて以前調べたときに「あぁなるほど」と思ったのが、以下のようなことでした。(ちなみに参考となった論文等のうちの1つがコチラ

1.そもそも、Hearsayの定義に該当しない用途でソーシャルメディア上の投稿を証拠として利用することも当然ある(NOT "to prove the truth of the matter asserted")

2.仮にHearsayに該当するとしても、ツイッターとかフェイスブック等で証拠となる書き込みの多くは、その時に感じたことを綴っていることが多いことから、Present Sense ImpressionとしてHearsayの例外に該当することが少なくない。

3.また、AdmissionとしてHearsayの例外に該当するような書き込みもある。(そりゃそうだけど、そんなことをしてしまう人がいるんですね。。。事案によっては気づかずにやってしまう場合があったり、Admissionか微妙だからこそ利用できちゃうものもあるんでしょうけれど。)

4.Best Evidence Ruleの観点からも証拠利用としての壁があるものの、その他に立証したい内容に関して証拠となるような情報が存在しない場合には、Secondary Evidenceとして証拠がAdmissibleとなることも少なくない。


こんなことを調べているうち、なんか企業法務実務とかでもソーシャルメディアにおける各従業員の書き込みが紛争事項とか法令違反事項とかで問題になることがあるのかもしれないな、と思いつつ、どんな場合にありえるのだろうか、と想像してみましたが、あまり「これだ!」みたいなものは思いつきませんでした。ただこのあたりのリスクは頭の片隅においておいてもいいかな、と感じています。場合によっては、従業員や役員への注意喚起や教育を企業法務担当者が行うことがあるかもしれません。

以前の投稿でも取り上げましたが、従業員が業務上作成したSNS等のアカウントであってもそのアカウント内の情報ついては、きちんと企業が対策を講じておかないと当該従業員が退職した後も従業員が所有する情報とされるリスクが最近話題になっていますが、炎上リスクとか以外にも、様々なソーシャルメディア関連リスクが存在することを改めて思い知らされている昨今です。

Ceongsuさんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス