局地的戦闘をロボットに任せたい | 大学中退者のその後の後

大学中退者のその後の後

フリーランスです。仕事の合間の息抜きツブ。

前回は、「AIは人類を滅ぼすか?」について考察してみました。

 

一つ補足しますと、「ターミネーター」シリーズのスカイネットのAIは「特化AI」です。

見ていると「汎用AI」だと思ってしまうのですが、「人間とは何なのか」を良く理解せずに、「全人類を滅ぼす」ことを使命としています。

 

つまり、AIが人類を滅ぼす可能性が有るとすれば、

 

1、特化AIに間違った使命を与える

2、汎用AIに一部の人種に対する差別意識を植え付ける

 

以上のいずれかだと、私は考えます。

 

2だと一部の人種だけが攻撃されそうですが、人種の違いを汎用AIが理解しなかった場合、全滅も起こりうると思います。

人種間のわだかまりは、汎用AIでも理解しがたいでしょう。

 

汎用AIは、人間を「尊いもの」だという認識を、必ず持つものだと考えます。その大前提が有って初めて「汎用」と言えるからです。

それを崩す唯一の条件が「人種差別」です。

 

さて、ではもし戦争にAIが投入された場合、それは脅威にはならないのか?

今回はその考察です。

 

むしろ投入すべき理由

 

私の考えはタイトルの通りで、理由はそれにより戦死者を減らせると考えるからです。

 

「ワンス・アンド・フォーエバー」という、メル・ギブソン主演の戦争映画が有ります。

この中で「イア・ドラン」という渓谷をめぐって、米軍と北ベトナム軍が激しい戦闘を繰り広げます。

 

初め、何も無いこの土地に、米軍は初となるヘリコプターによる移動で軍を投入します。

 

理由は、この土地を通過して北ベトナム軍が南下すると予想されたために、それを防ぐためでした。

さらに南の位置に有る拠点で迎え撃つより、この地点で攻撃するのが効果的だとされたためです。

 

最終的に米軍はこの渓谷を守り切りますが、敵軍が撤退するや、すぐさまその土地を全軍が離れます。

 

この土地を永久に占領する気はなく、戦略上、必要な時期に必要な期間だけ、この土地から敵軍を排除したのです。

 

その証拠に、映画の最後に、敵軍がこの土地に戻ってくる場面が出てきます。

 

要するに、全体の「戦略」上の理由で、一時的な「戦術」で極地的な戦闘が行われる場合が、たくさん有るということです。

 

こういう戦闘においては、戦場には基本的に住民は居ません。

もし居れば、住民を守らなければならないので、限定的な戦闘には成りません。

 

このような、

1、住民が居ない場所で

2、限定的な戦闘

3、一時的な駐留

の場合、人間が命懸けで戦う必要は無いと思うのです。

 

必要なのは、一時的な優劣の決定です。

これこそ、ロボット兵にやらせるべきです。

 

ロボット VS人間の恐ろしさ

 

国際法で厳密に規則化をし、対立する双方がロボット兵で戦闘を行う。

これが近年の戦争の有り方だと考えます。

 

おそらく、今後出てくるロボット兵は人間よりもかなり強いはずです。

 

厚い装甲を持ち、重火器も軽々と扱え、高速移動も可能。

戦車を簡易基地として、充電や補充を行い、行動を共にする。

探知能力は、外部のレーダーや衛星などとリンクして、完全に人間を凌駕する。

 

一番恐ろしいのは、彼らロボット兵と人間が戦闘をしてしまうことです。

それは一方的な虐殺になることでしょう。

 

既に米軍などで、着々とロボット兵が開発されています。

その他、ドローン爆撃機や、無人戦闘車、無人戦闘艦などが同じ部類だと思います。

 

アフガニスタンなどで、遠隔操作の爆撃機がすでに運用され、テロ組織を一方的に攻撃したりしています。

 

テロは卑劣な行為で、通常の戦闘とは全く違うもので、排除すべきだと思いますが、だとしても、一方的な虐殺でそれを排除するのは、テロとやり方が何ら変わらなくなってしまいます。

 

特化AIロボットは現在の戦場には投入出来ない

 

前回のAIの話でも出てきましたが、「特化AI」は人間を認識出来ません。

認識させるのは不可能では無いですが、視界が悪い戦場で、敵と味方の区別までさせるには、まだまだ技術開発が必要です。

 

このまま今の技術でロボット兵を一般的な戦場に投入した場合、味方はもちろん、住民まで攻撃しかねません。

ですので、敵兵しかいないような場所で、皆殺しさせる以外に使い道は有りません。

しかし、そんなことをすれば、手を上げて降伏した兵士まで打つでしょうし、それは国際法に違反します。

 

そこで、それがロボット兵だと分かる「マーキング」を行います。

ビーコンのような発信機をロボット兵に搭載させて、そのマーキングを持つものだけを攻撃するようにプログラムします。

 

「マーキング」には敵味方の区別がつくようにしておきます。

 

このロボット兵を戦闘に投入することで、劇的に戦死者を減らせるはずです。

 

ロボット兵士は人間との共闘でも戦死者は減らせる

 

「デンジャー・ゾーン」というNETFLIXの映画が有ります。

まさにロボット兵とAIが戦争に投入される話ですが、この中で、ロボット兵と人間の兵士は共闘します。

 

もし、「マーキング戦闘機能」を搭載したロボット兵と人間の兵士が共闘したら、どうなるか?

 

敵ロボット兵以外は攻撃しないロボット兵は、人間兵にとっては脅威には成りませんが、もし、ロボット兵が有る程度の大きさと強度が有るならば、「弾避け」として役に立つでしょう。

 

ロボット兵が全て倒された時点で、残された人間兵は、撤退を考えるはずです。

 

限定的な戦闘において、局地的な優位性を確保するだけなら、ロボット兵は十分に役に立ちます。

 

より多くのロボット兵が生き残ったほうが、残りの人間同士の戦闘でも有利になり、戦死者数も大幅に減らせるはずです。

 

どのみちロボット兵の導入は避けられない

 

今すでに遠隔操作のドローン兵器が、戦場を闊歩しています。

 

味方の命を失わずに敵を攻撃出来る兵器は、今後必ず戦場に投入され続けます。

 

そして、それがもたらすのは、戦場における悲惨な格差です。

 

全体の戦局を左右するほどの兵器だからこそ、制限が必要です。

 

今後「核兵器禁止条約」のように、「AI兵器制限条約」のようなものが必要と成ると思います。

 

そしてその時には、ただ禁止するのではなく、人命を守るための手段として、積極的に(でも機能を限定して)導入することも検討してもらえればと思います。