まず現時点で手を怖がらない子でも
普段から食事をあげる前にフードを、わしゃわしゃと触ったり
食器に手を添えたまま食事をさせたり
新しいオモチャは手でこねくり回してから与えたり
犬用ベッド等も触りまくって飼い主の匂いをつけることで
嬉しいこと、楽しいこと、心地良いことと
飼い主の手や、その匂いを結びつけるようにします。
それから犬を叱ったりするのに手を使うのは厳禁です。
手や足にじゃれついて甘噛みをする子を手で払いのけるのもNGです。

さて手を怖がる子のリハビリトレーニング方法ですが
新しいステップに移った時に嫌がる素振りをみせたら
決して無理強いはしないこと、確実に出来る1つ前のステップをやって
たっぷり褒めて終りにすることが大事です。
そして、どのステップでも優しく声をかけるのを忘れずに!

ステップ1
手の中にオヤツを隠して犬と目を合わさないで横に座り
犬が手の匂いをかいだら、そっと手を開いてオヤツを食べさせます。

ステップ2
犬の正面に座って、オヤツを握った手をゆっくり犬のほうに差し出します。
やはり犬が手の匂いをかいだら「良い子だね」等
優しい言葉をかけながら手を開いてオヤツをあげます。

ステップ3
ステップ2と同じように、ゆっくり手を差し出して犬の顎に触れます。
大人しく触らせたら褒めて、オヤツです。

ステップ4
今までと同じ要領で犬の頬に触れます。
出来たら、たっぷり褒めてオヤツです。

ステップ5(以降オヤツなし)
ステップ4と同じことをオヤツなしでやります。
優しく声をかけながら行なって下さい。
出来たら今まで以上に褒めてあげます。遊んであげてもいいでしょう。

ステップ6
今度は両手で犬の頬に触れます。

ステップ7
犬の頬に触れるだけではなくて、軽くムニュムニュっとこねまわします。

ステップ8
片手で顎の下を撫でながら、もう片方の手で
鼻先から頭にかけて、そっと撫でます。

ステップ8を喜んでやらせてくれるようになれば
手に対する恐怖心やトラウマを、ある程度克服出来たと言っていいでしょう。
最終段階として、優しく声をかけながら体のあちこちを触るようにします。

犬によっては、かなり時間がかかる場合もあります。
どうか、それにイライラしたりしないであげて下さい。
飼い主が安定した気持ちで接することで犬も安定します。
最初にも書きましたが、叱るときに手を使わないこと。
飼い主の手は、いつでも優しい存在であるべきなんです。