最近、【読書メーター】という便利な読書記録のツールを見つけたので、ブログでの読書記録が滞っています
読書メーターは、記録としての役割を果たしてくれるばかりか、沢山の人と感想をシェアしたり、次に読みたい本を探したりできるので、とても面白いです
ですが今回は、中受に向けて通塾を考えるにあたり興味深い本に出会うことができたので、中学受験のカテゴリーでブログにも記録しておきたいと思います。
SAPIXといえば、御三家を始めとした難関中学の合格実績で有名な塾。
それで私は勝手に、講師⇒塾生への一方的なベクトルの授業をイメージしていましたが、この本を読む限りでは、そうでもなさそうなので驚きました。
書き手の主観が含まれた文章でしかサピックスの授業を知りませんので、ちょっと偏った視点になるかもしれませんが、この本を読んで私が興奮したことなど、記録したいと思います。
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SAPIXの授業の特徴
復習主義
その日の授業で取り扱う課題はその日に配布する。普段の授業から入試を想定して『初めての問題に当たる』という経験を踏ませる。一度学習した内容は、次回授業で復習して習熟を図る他、『らせん状のカリキュラム』で何度も単元を振り返ったり、家庭学習で会得する。
らせん状のカリキュラム
一度習った内容を、別の分野の問題と関連づけたり、異なった出題形式で何度も学び、知識の習得と理解の促進を行う。
黒板授業
板書しながら質問し、塾生の発言を促す。書かせ、考えさせ、塾生同士が発言を競いあい、触発しあって問題を解く授業スタイルが集中・熱中を生む。
子どもは競い合って伸びる
本来子どもは負けず嫌いで、講師は、その競争心をあえてあおる。
SAPIXの授業は、とにかく子ども達の発言が活発で、講師と塾生は絶えず言葉の応酬を行っているよう。もちろん講師の問いかける力や機転が素晴らしいのは言うまでもなく、ふざけた答えは上手くたしなめ、良い答えはどれだけ小さくても拾い出す。
そこでは、見当違いの意見や回答がとがめられることはなく、それが“どんな発言をしても皆の笑いものになることはない”という安心感を生む。そうして、さらに活発な発言の場が生まれ、子ども達は他者の意見に大きな刺激を貰いながら、切磋琢磨して成長をしていく。
この本には、小学5年生国語の授業、小学5年生算数の授業、小学5年生理科の授業、小学4年生社会の授業、小学2年生国語の授業、小学3年生算数の授業を筆者の杉山由美子氏が見学した様子が書かれていますが、とにかくどの授業もスピーディーでそして子ども達の発言が多い驚くばかりでした。
授業中、あまりに自由に発言する子ども達。子どもらしいおふざけも多く飛び出し、これが受験塾かという疑問すら湧いてきますが、授業中にそういう発言ができるということは、講師との関係が良好である証拠だし、“講師の一言一言にコメントをしたくなる”、“自分の知識を知って貰いたい”という子どもの欲求が感じられ、プリント重視の受動的な授業とは違う熱気を感じました。
生徒は全員参加で競い合っている。耳をダンボにしてほかの子の意見を聞き、自分には思いもつかなかった発想に感嘆の声をもらす。そして、ほかの子が考えつくはずのない素晴らしい答えを言おうとチャンスをねらっている。中学受験SAPIXの授業(杉山 由美子)より
この競争心というのは、私にはとてもよく分かる感情です。
とても競争心の強い子どもでしたから。
それを上手く利用するSAPIXはすごいなと思います。
ですが、マイペースな子や人と一緒に学習すると集中ができないような子には、向かないシステムだとも思います。
古代エジプトの数字を読む
小学3年生の算数、「桁」に関する授業でのこと。古代エジプトの数字を読んだり、書いたりするためのプリントが配布されたらしい。
中学受験には直接関係のないことを蔑ろにするのはとてももったいないこと。
知識は、関連なくバラバラでは頭に詰め込んでも、すぐに忘れてしまう。
古代エジプト数字に触れて、数字に対する抵抗をなくせるかもしれない。
古代エジプト数字が現代算用数字と同じ10進法だと気付く子がいるかもしれない。
知らないことを知る喜びを味わったり、もっと知りたいと思う、そういう純粋な気持ちは、受験という世界に足を踏み入れたとたんに消えてしまいそうですが、そういう気持ちを忘れさせないSAPIXの授業は、とても魅力的だと思いました。
SAPIX生の親は意識が高い
本には、講師が音の吸収と反射の授業で、コンサートホールを例にして簡単な構造図を描いたところ、『これは、サントリーホールだね!』『オーチャードホールは・・・』『ウィーンのホールは・・・』という話が出てきたという事例が紹介されていました。
例えば、子どもと一緒に『ニュートン』を読む。
演奏会に子どもを連れて行く。
手伝いをさせる。
家族で旅行に出かける。
一緒にニュースを見る。
そういう家庭の触れあいの中で、化学の変化を、流通を、地理を、時事問題を話し合う。
親が勉強している。
その姿を見て、子どもも勉強をする。
私は、我が子に中学受験をさせようと考えていながら、どこかで、のびのびとした子ども時代を過ごせないのは不憫だと思っていたのです。
でも、こんな素敵なご家庭で育ったお子さんが集っているのだとしたら、そんな学友に囲まれて過ごす数年間は、どれだけ有意義で素敵な時間だろう・・・
それを考えただけで、少し救われる気がします。
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・・・塾選びって難しい。