大河・世界史(20)ふたりの女王 メアリーとエリザベス(2018) | 心を湛(しずか)にゆるがせて

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2019(12)2019/3/15観  於・シネプレックス小倉

Mary Queen of Scots                       ─ スコットランド女王メアリー

2018年  アメリカ×イギリス合作  124分
監督/ジョージー・ルーク
脚本/ボー・ウィリモン
原作/ジョン・ガイ『Queen of Scots: The True Life of Mary Stuart』
製作/ティム・ビーヴァン×エリック・フェルナー×デブラ・ヘイワード
製作総指揮/アメリア・グレンジャー×ライザ・チェイシン×ケイト・パッケナム
共同製作/ジェーン・ロバートソン
撮影/ジョン・マシソン
編集/クリス・ディケンズ
美術/ジェームズ・メリフィールド
音楽/マックス・リヒター
衣装/アレクサンドラ・バーン
ヘア&メイク/ジェニー・シャーコア
【キャスト】
メアリー・スチュアート/シアーシャ・ローナン
エリザベス1世/マーゴット・ロビー
ダーンリー卿ヘンリー・スチュアート(2人目の夫)ジャック・ロウデン
レノックス伯爵マチュー・スチュアート(ダーンリーの父)/ブレンダン・コイル
レスター伯爵ロバート・ダドリー(エリザベス1世の愛人)ジョー・アルウィン
ベス・オブ・ハードウィック(メアリーの侍女)/ジェンマ・チャン
ボスウェル伯爵ジェームズ・ヘプバーン(3人目の夫)マーティン・コムストン
リッチオ(メアリーの寵臣)/イスマエル・クルス・コルドバ
メイトランド卿ウィリアム(スコットランド貴族)/イアン・ハート
ランドルフ卿トーマス/エイドリアン・レスター
マリ伯爵ジェームズ・スチュアート(メアリーの異母兄)/ジェームズ・マッカードル
ジョン・ノックス(プロテスタント牧師)/デヴィッド・テナント
バーリー男爵ウィリアム・セシル(エリザベス1世の側近)ガイ・ピアース

スコットランド女王メアリー・スチュアートは16歳でフランス王妃となり、18歳で未亡人になるとスコットランドで再び王位につく。しかし当時のスコットランドを支配していたのは、従姉でもあるイングランド女王エリザベス1世だった。メアリーは自身のイングランド王位継承権を主張し、エリザベスの権力を脅かす。恋愛や結婚を経験し気高く美しいメアリーに、エリザベスは複雑な感情を抱く。それぞれの宮廷内部で起こる裏切りや反乱、陰謀が2人の王位を危険に晒していく・・・(MW.参照)。

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メアリー・スチュアート(1542~1587:画の右):スコットランド王ジェームズ5世とフランス貴族メアリー・オブ・ギーズの長女。父王の早逝により生後6ヶ月で女王となる。幼くして渡仏、フランス宮廷で育ちフランソワ1世の王妃となる。つまり王妃マルゴの義姉。マルゴは「メアリーお姉様」を慕っていた。

エリザベス1世(1533~1603:画の左):英国王ヘンリー8世の次女。母は1000日のアンことアン・ブーリン。母が父に処刑されたのは2歳半の時。弟エドワード6世、9日間の女王ジェーン・グレイ、姉メアリー1世それぞれの時期に辛酸を舐めたが、姉の死によって25歳で女王となる。現代までもイングランド黄金時代の君主と呼ばれる。

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先月の『女王のお気に入り』に続いて英国女王物です。好みです♪本作の主人公メアリー・スチュアートもエリザベス1世も、書籍、映画化、ドラマ化が多く人気の高い人物。広く知られた話をどういう切り口でやるのかと思ったら、直球勝負でこれまで描かれた通り、概ね年代順にエピソードが展開して分かり易い流れでした。

何度も映画化され、有名女優が演じて来たエリザベス1世は、これまでも内面部分の演出が有りましたが、本作は更に精神的脆さが描かれて、非常に女性的なエリザベスに感じられました。特に母となることを望んでいたのに叶えられなかった悲しみが強調されていました。

対するメアリーは、これまでの文献から受けるイメージそのままの、美しく誇り高い女性。この時代の感覚として、嫡出子か庶子かの違いは大きく、特に王位継承に関しては絶対的なものなので、正統な王女メアリーが庶子のエリザベスを下に見たのも当然だったと思います。メアリーの3度の結婚はどれも不幸だったもけれど、息子ジェームズが今日までの英国王族に繋がっていますので、ある意味メアリーは生き続けていると言えるかも知れません。

大きなアレンジはメアリーとエリザベスの会談じゃないでしょうか。細かい資料までは勉強していませんが、二人は生涯手紙のやり取りのみで会った事がなかったと記憶します。が、歴史研究は時代を追うごとに新たな発見、解釈が登場するので或いは?

しかし結局 エリザベス(本意ではなかったらしい)によってメアリーが処刑された事実があるので、会ったか会わなかったかはあくまでドラマ的要素のみの効果で、メアリーの運命に何の利ももたらさなかった事になります。哀れメアリーの最期は絵画の通り美しかった。尚、前頁に続きシアーシャ・ローナン出演作の感想となったのは全くの偶然です。メアリーの呪・・・導きではございませぬ。堂々たる女王ぶりでしたよ♪

女王達の物語なので男達は脇役です。大物セシルを演じたガイピアとか、懐かしいわねイアン・ハート♪キュートだったのにすっかりおっさ・・・ナイスミドル♪でもそんなメジャー所より、メアリーのアホ旦那ダーンリーの極道父ちゃんがダウントンのベイツさんだったことに目がハートでした♪いや~ん、黒ベイツさん初めて見た♪

個人的不満を吐露すると、メアリーの最後の夫ボスウェルには出来ればジェラルド・バトラーくらいを持ってきて欲しかった!スコットランド人だし。けれど地元民族であればこそ、今でも人気高いメアリー女王を凌辱する役など断るでしょうね。