軽く復習から。

・定款とは、会社の設立を大きく4つに分けたうちの最初のステップで作成すべきもの(?定款作成、?出資の履行、?機関の設置、?設立登記)。

・定款を作成するのは通常、発起人である(正確には定款に発起人として名を連ねているものこそが法的な発起人であり、発起人全員の署名等を要する)。

・定款は作成された後、法的な認証(公証人による認証)を受けなければならない。

・定款には?絶対的記載事項、?相対的記載事項、?任意的記載事項がある。絶対的記載事項は全部で6つ。いずれを欠いても定款は法的に認められない(目的、商号、本店所在地、出資額、発起人の氏名・名称・住所、発行可能株式総数)

ここまで復習。
今回は相対的記載事項について。主なものは次の4つ。
?変態設立事項(28条)
?発行する全部の株式の内容(107条2項)
?種類株式の内容(108条2項)
?取締役の任期の伸長規定(332条2項)

いずれも重要だが、会社設立手続の学習においては変態設立事項を中心に見ていく。

絶対的記載事項は、定款にその記載がなければ定款そのものが法的効力を失う事項。対して相対的記載事項とは、定款外で定めても効力が生じない事項を言う。ただしこちらは定款に記載がなくとも定款そのものの効力は失われない。

(※なお任意的記載事項については割愛するが、これは定款内でも定款外でも効力が認められる。定款で定めなくとも効力を発揮する事項についてわざわざ定款で規定するメリットと言えば、強い効力を認められる=会社としては当面はある方針を貫きたい、などではないか。定款変更には株主総会の特別決議を要するため、一度定款に記載されたものは容易に変更されることはない。具体的には定時株主総会の招集時期や、事業年度など。もちろん違法なものは無効)

変態設立事項
学習するのは以下のような内容だが、詳しくは次項で。
・現物出資
・財産引受け
・発起人の受ける報酬
・発起人の受ける特別の利益
・設立費用
・検査役の調査

前回は発起人、発起設立、募集設立について説明した。
今回は「定款」について。

株式会社の設立手続は、?定款の作成、?出資の履行、?機関の配置、?設立登記、の4つに分けてみることができる。会社が誕生する瞬間は、?の設立登記が終わった段階と言える。

これらの過程を経て設立される株式会社だが、会社法は「発起設立」と「募集設立」のふたつを認めている。違いは「発起人以外に設立時発行株式を引き受けるものがいるか否か」である。つまり定款作成の段階では、発起設立と募集設立の両者に共通する手続きであることをしっかりと認識したい。

さて、上で会社設立の4ステップを書いたが、いずれを欠いても法的に会社の設立は認められない。このあたりは当然、会社法によって規定されている。具体的には会社法の「第二編(株式会社)、第一章(設立)、第二節(定款の作成)」に記載がある(26~30条くらい)。

念のため条文をかいつまんで見てみると、

26(定款の作成)

?:株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

※定款がないと会社設立は法律で認めません。発起人全員のサインがないとこれも認めません。(署名=自筆サイン、記名押印=自分の名前を書く、印刷する、自分の名前の書いてあるスタンプを押す等+印鑑)

?:(要約)紙の書類じゃなくてデータもありです。


27(定款の記載または記録事項)

※定款はその記載する内容によって、絶対的記載事項、相対的記載事項、任意的記載事項の3つに分けられる。絶対的記載事項とは、これを欠くと定款そのものが無効となるもの。相対的記載事項とは、定款に記載がないと効力が生じないもの。任意的記載事項とは、どちらでもよいものを指す。
絶対的記載事項は全部で6つ。そのうち5つはこの会社法27条を根拠としている。

?目的(飲食店経営、雑貨の輸入および販売とか)
?商号(会社の名前)
?本店の所在地(所在地なので克明な住所である必要はない。~~県~~区とか)
?設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
?発起人の氏名又は名称及び住所(名称とは発起人が法人の場合。これにより発起人が明らかになる)

以上の5つが27条。これに「発行可能株式総数」を加えた6つが絶対的記載事項であり、このいずれかを欠くことがあれば、それは定款として認められない。なお発行可能株式総数は「公証人による定款の認証」の段階では確定させる必要はないが、



さて以前も学習したが、定款は「発起人全員の署名・押印(または電子署名)」を要する。内容については発起人または発起人会の決議(多数決)が決定する。こうして作成された定款は、しかし公証人の認証を受けなければ法的に認められない。

30
?:第26条1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。

公証人とは、作成された定款に違法な内容が含まれていないことなどを法的に認める公的な機関(だと思います)。

以上が定款の概論および絶対的記載事項について。次回は相対的記載事項等について。
まずは簡単な言葉の話から。

株式会社は「発起人」によって設立される。逆に言えば、発起人とは株式会社を設立する為に様々な手続を行うものである。この発起人は自然人のこともあれば法人のこともある。

つぎに、株式会社を設立する方法は発起設立募集設立の2種類がある。発起設立とは「設立時発行株式の全てを発起人が引き受ける」方法を指し、募集設立とは「設立時発行株式の一部を発起人が引き受ける」方法を指す(つまり発起人は最低でも一株は引き受けなければならない)。後者の場合、発起人が引き受けなかった株式の残部は、引受人を募集して引き受けてもらうことになる。この為、後者の方法は「募集設立」と呼ばれる。

この節の学習では、発起設立と募集設立に共通する手続、またはいずれか一方のみに適用される手続があり、これらをまとめて、或いは区別して理解していきたい。


さて、もう少し詳しく用語について書いていく。まずは「発起人」について。先に「発起人とは会社を作った人」のように書いたが、法的に発起人として認められるのは「定款に発起人として氏名または名称が記載されているもの」である。最終的にはこの一点のみで判断されるので、実質的な設立手続をどれだけこなそうとも定款に名前なくして法的に発起人と認められることはない。逆に設立手続にノータッチだろうが、定款に発起人として氏名が記載されているものは発起人である。

発起人の員数については特段の規定はなく、1名でも足りる。また発起人が複数からなる場合(発起人組合を形成する場合もある)、発起人会の決議は多数決によるのが原則となっている(1人1議決権)。

定款とは株式会社が定めたルールを指す。これは会社設立の最初のステップである。株式会社を設立する為には、以下の4つの仮定を経る必要がある。

1.定款の作成
2.出資の履行
3.機関の設置
4.設立登記

次は「定款」について説明。