前の記事で、監査人が直接的な立証命題とするのは「財務諸表の適正性」ではなく「個別の監査要点」であることを学習した。また、具体的な監査要点の例はこちら。今回は、監査人がいかにして監査要点を立証するかについて。

監査人が監査要点の立証にあたって必要となるのが『十分かつ適切な監査証拠』である。監査人はいかにして十分かつ適切な監査証拠を入手していくのか。

監査人は証拠資料監査技術を適用することによって監査証拠を入手する。証拠資料とは会計記録の元となった取引の証拠。伝票や在庫品など。監査技術とは、監査人が証拠資料に対して実施する手続。例えば記録や文書の閲覧、有形資産の実査など。
そして監査証拠とは、監査人が監査意見を形成するに足る核心を得る為に入手したすべての情報を言う。

まとめると、証拠資料×監査技術=監査証拠であり、この一連の手続は監査手続と呼ばれる。

さて、監査人の目的は(適正性命題を立証すべく)監査証拠を入手することであるが、監査証拠は「十分かつ適切」なものでなければならない。十分性=量と、適切性=質(適合性と証明力)を備えていなければ、監査要点を立証できない。また、十分性はある程度適切性で補うことができる。監査要点に対する十分かつ適切な監査証拠は、単一の監査証拠とは限らず、複数の監査証拠を集積して1つの監査要点に対する監査証拠とする場合が多い。しかし、非常に証明力の高い単一の監査証拠によって、ある監査要点を立証できる場合は在りうる。反対に、証明力の弱い、あるいは適合性の極端に低い(ピント外れの)監査証拠をいくら集めようとも、(十分性で)適切性を補うのは難しい。
1.実在性
資産および負債が実際に存在し、取引や会計事象が実際に発生していること。貸借対照表に計上されたある資産が決算日に当該企業に実在していたのか。損益をもたらした取引や事象は実際に発生したものなのか。つまり実在性とは「本当に在ったのか」という視点からする監査である。これを具体的な個別監査要点に落とし込むならば、例えばBSに記載されている製品が物理的に存在しているのかどうかを確認する作業になる。

2.網羅性
計上すべき資産、負債、取引や会計事象をすべて記録していること。決済日において、貸借対照表に記載すべき全ての資産と負債の残高が計上されているか。簿外資産や簿外負債は存在していないか。網羅性の適正性を判断するためには、例えばBSに計上されている製品の金額が、企業の倉庫に保管されている製品100個に対してのものだとする。こうした場合、実際に監査人が製品の数を(例えば実際は150個存在していたりしないかどうか)確認する。

3.権利と義務の帰属
計上されている資産に対する権利および負債に関する義務が会社に帰属していること。資産の計上の根拠となる権利は、会社に帰属するものであるかどうか。あるいは負債計上の根拠となる義務は、会社に帰属するものであるか。具体的に言えば、計上された製品に対して会社が法的所有権や類似の権利を有しているのか。会社の倉庫に製品が実在するとして、それが既に取引を終えた出荷前の(つまり他社に権利が帰属する)製品でないかどうかなどを確認する。

4.評価の妥当性
資産および負債を適切な価格で計上していること。資産と負債の期末評価は、妥当または合理的かどうか。製品は原価で適切に計上されているか。製品に含まれている過剰、不良、陳腐化項目が適切に識別されているか。上で見たように、資産計上された製品が実際に企業の倉庫に存在し(実在性)、そこに漏れがなく(網羅性)、更に所有権が当該企業に帰属する(権利と義務の帰属)としても、計上された金額が適切かどうかを判断しなければならない。

5.期間配分の適切性
取引や会計事象を適切な金額で記録し、収益および費用を適切な期間に配分していること。収益や費用は、せうべて当該会計期間に適切に配分されているかどうか、製品に関する評価損または減耗損が適切に計上されているか。

6.表示の妥当性
取引や会計事象を適切に表示していること。財務諸表が表示の基準にしたがって、明瞭に表示されているかどうか。製品は貸借対照表、流動資産として適切に分類計上されているかなど。

これらの監査要点をどのように立証するのかについては、次の「監査要点の立証方法」にて。

※経営者の主張
計上された金額とは経営者の主張と見ることができる。ある製品を幾らで計上したという事実。これは経営者が、「その製品が存在し、資産として認め、個数を幾つとして認識し、貨幣換算された評価を幾らとして与えている」という主張であると言える。
・普通決議

議決権を行使することが出来る株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)、出席した当該株主の議決権の過半数をもってする。


・特別決議

議決権を行使することが出来る株主の議決権の過半数を有する株主が出席し(定足数)、出席した当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもってする。


・特殊決議

?議決権を行使できる株主の半数以上を定足数とし(議決権の半数以上ではない)、当該株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもってする(309条3項)。

?総株主の半数以上(定足数)であって、総株主の議決権の4分の3以上に当たる多数をもってする(309条4項)。

・総株主の同意



※定足数は定款で変更することもでき、全く排除することもできる。
ただし取締役、監査役および会計参与の選解任決議については、定款の定めによっても、定足数を、議決権を行使することができる株主の議決権 の3分の1未満に下すことはできない。

※決議要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることができる。