銀杏も実っています。すでに、落果している場所もあるようです。東京農大世田谷キャンパスでも銀杏がたくさん落ちている場所があり、近所の方が拾いにいらしたり、学生さんが集めて収穫祭で販売したりしていました。

 黄葉も進んでいます。一部は、夏の暑さで弱ったのかと思われるところもありますが、これから黄色、あるいは金色になっていくのでしょう。葉っぱが赤くなる紅葉と、黄色くなる黄葉では、その生成メカニズムが違います。イチョウの葉ではもともと、緑のクロロフィルと黄色のカロチノイドが含まれていますが、気温が低下するとクロロフィルが分解されて緑色が失われ、黄色いカロチノイドが残ります。

 

 植物のウイルス病でも、葉っぱが黄色くなる黄化、あるいは、葉脈を残して黄色くなる脈間黄化、葉脈だけが黄色くなる葉脈黄化など様々な症状(病徴)があり、診断の際の参考になります。ただ、農作物での黄化は、光合成が行われないということですから、生産に悪い影響があるのは、もちろんのことです。

 

 ご近所にイチョウの木があるようでしたら、銀杏ができている(雌木)かできていないか(雄木)、黄葉はいつごろからはじまって、いつごろ100%黄葉になるか、など、ご家族で観察するのも面白いかと思います。銀杏、落ちてる 臭ーい、で終わらせるのは残念かも、です。