飲める精油はあるのか？

という疑問をお持ちのアロマセラピストの方は多いのではないでしょうか？

この疑問は、「どんな精油をどういった目的で利用するか」で答えは違ってくると思います。

まず、飲む食べることは食品衛生法の範囲になります。

食品衛生法上、精油は食品には該当しません。

なので、精油をそのまま飲む事は認められていません。

精油は食品添加物の天然香料に該当するので、食品衛生法の添加物規制に従う事が求められています。

天然香料の使用目的としては「食品に香りをつける目的で使用されるもの」（食品衛生法第４条第３項）で、基本的にその使用量はごくわずかであると考えられています。

アロマテラピーで精油を使用する理由は大きくわけて２つあります。

１つは「香りを楽しむ」と、もう一つは「効能を利用する」ことです。

風邪予防や健康の為に精油を利用する場合は後者の「効能を利用する」に該当します。

「香りを楽しむ」という意味で、食品に香りをつける目的で食品添加物の許可をされた精油をわずかに使用した食品は飲んだり、食べたりすることはできるでしょう。

ポイントは「着香目的」という事と「食品添加物」であるかどうかです。

「着香目的」でも「雑貨の精油」は飲めませんし、「食品添加物」の許可をとった精油でも「着香目的」以外では飲めません。

・着香目的に「食品添加物の精油」をごくわずかに使用した食品を飲む、食べる　◯

・着香目的に「雑貨の精油」をごくわずかに使用されたものを飲む、食べる　×

・着香目的以外に「食品添加物の精油」を使用したものを飲む、食べる　×

・着香目的以外に「雑貨の精油」を使用したものを飲む、食べる　×

「効能を利用する」目的で精油を使う場合は薬機法（旧：薬事法）の範囲になります。

アロマテラピーとして精油を飲む場合、多くのケースでは「効果を利用する」目的の人が多いのではないでしょうか？

その場合は、「雑貨」であろうと、「食品添加物」であろうと精油を飲む事は認められていません。
また、効果効能を説明できる精油は医薬品、もしくは医薬部外品の許可をとっている必要がありますが、そのような精油はほとんど無いのではないでしょうか。

プラス「効果を利用する」目的で精油を使う場合は、飲用だけでなく肌に塗る事も認められていません。

だから精油の「効果を利用する」事を目的としたメディカルアロマを実践する場合は、独学なり、専門家から勉強して、自己判断、自己責任で肌に塗布したり、飲用したりする覚悟が必要です。

「精油を高濃度で使えるのですか？」とか「精油って飲めるのですか？」という質問は、精油の「効果を利用する」目的で使う場合は、答えは全部「NO」になります。

逆に、１００％原液の精油ブレンドでも「効果を利用する目的」ではなく、化粧品の許可をとってる場合は肌に塗布できますし、精油入りのカプセルやハチミツなども「食品」であるなら飲用が認められています。

精油の「香りを楽しむ」だけではなく、「効果を利用する」アロマテラピーを実践する為には、リスクもありますし色々と自己判断できる知識が必要ですが、それでも、それ以上のものを得れると僕は思っています。

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