私が結婚した時には義両親を含めて
計9人のお年寄りがいてはりました。
血縁と戸籍上もややこしい関係で
正確な人間関係は私の身内は誰も知らず
他人は説明してもわからないくらいの
ややこしい関係でした。
そのややこしい人間たちが三軒に分かれて歩いて数分のところに住んでました。
そうして、我が家の四人家族が住むマンションはそれらの家から目と鼻の先にありました。
私はよくお年寄りにご飯を作りましたね。
昔人間のお年寄りはマンションに来るのを嫌がったので、作ったのを私が運びました。
初めはお鍋やお皿に盛って持って行っていましたが三軒なのでなかなか大変でした。
そこで私は自分が少しでも楽できるように
幕の内弁当のお重を用意しました。
ご飯とおかずを入れてお重に詰めたあとは
風呂敷に包んだり、紙袋に入れたり
自転車の荷台に積んで持っていったりしました。
この幕の内弁当は蓋を開ける楽しみがあり
食べた後も洗うのが楽なので
お年寄り達は随分喜んでくれました。
食べた後のお重は会社から帰った夫が
その日のうちに回収に行ってくれました。
幕の内弁当として使ったり
中の器を外して
ただのお重としておかずを詰めたり
ちらし寿司の時は大皿に盛って入れたりしました。
我が家のマンションでは幕の内を使ったり、
松花堂を使ったりしましたね。
今はお重を使うことは殆どありませんが
先日、キッチン納戸を片付けた時に
懐かしくなって又取り出してきました。
さもない幕の内のお重にも
あの頃、
お年寄りたちに私がご飯を作り
会社帰りの夫が持って行ってくれた思い出がよみがえります。
しんどかった思いも
今となっては懐かしい思い出です。
私の手助けをしてくれたお重を
また、たまに使ってあげようと思います。
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