「韓信の股くぐり」を考える | リーダーの人間分析講座,コミュニケーション力をつける

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捻れ型には7種と8種があるんですが、8種の方は戦わない戦士という感じで、慎重というか、一見すると臆病に見えるタイプです。

忍耐心が強く、よほど勝算がなければ戦いません。

戦わないためなら、土下座をしてでも戦わない。

「韓信の股くぐり」という故事をご存じですか?

韓信は中国秦末から前漢初期にかけての武将。劉邦の元で数々の戦いに勝利し、劉邦の覇権を決定付けた将軍です。

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若い頃は貧乏で品行も悪かったために職に就けず、他人の家に上がり込んでは居候するという遊侠無頼の生活に終始していた。

こんな有様であったため、淮陰の者はみな韓信を見下していた。

とある亭長の家に居候していたが、嫌気がした亭長とその妻は韓信に食事を出さなくなった。

いよいよ当てのなくなった韓信は、数日間何も食べないで放浪し、見かねた老女に数十日間食事を恵まれる有様であった。

韓信はその老女に「必ず厚く御礼をする」と言ったが、老女は「あんたが可哀想だからしてあげただけのこと。御礼なんて望んでいない」と語ったという。

ある日のこと、韓信は町の少年に「お前は背が高く、いつも剣を帯びているが、実際には臆病者に違いない。その剣で俺を刺してみろ。できないならば俺の股をくぐれ」と挑発された。

韓信は黙って少年の股をくぐり、周囲の者は韓信を大いに笑ったという。

大いに笑われた韓信であったが、「恥は一時、志は一生。ここでこいつを切り殺しても何の得もなく、それどころか仇持ちになってしまうだけだ」と冷静に判断していたのである。

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この出来事が有名な「韓信の股くぐり」です。

韓信は8種なのではないでしょうか。

非常に優れた計算力をもっていますので、よほど勝算がないと戦わない。

勝つことよりも負けないことが第一。

野村克也さんのようなタイプではないでしょうか。

昨日のまこりんさんのコメントですが、8種ではない。では7種か?

もう少し考えましょう。


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◆初めての方に

人間の価値観には10種類あります。そのどれを重視している人かを見極めると、リーダーシップが格段につきます。

コミュニケーションスキルと感受性の知識を併せ持つことが、これからのリーダーにとって、たしなみになるということです。

例題:いつも言っていることなので、よくご存じの方にはおわびします。

船が座礁してしまい、乗客は救命ボートに乗り移ろうとしました。ところが、人数が多すぎて、何人かは岸まで泳いでいかなければなりません。どうやって説得するか。

イギリス人には
「ジェントルマンらしく行動してくれ」

ドイツ人には
「船長の命令である」

イタリア人には
「君は飛び込むな」

アメリカ人には
「保険に入っているから大丈夫」

日本人には
「みなさん、泳いでいますよ」

傑作なジョークですよね。いつも笑ってしまいます。

しかし、これはなかなか含蓄のあるジョークでもあります。つまり、人間は何によって動かされるかということなんです。

結局、人間はすべて合理的に行動しているのです。ただ、その合理性が他の人と一致しないだけなのだと思います。

その合理性とは、結局のところ価値観といえます。何を大事にしているか、ということです。

イタリア人は、へそ曲がりの捻れ型。命令されるとかえって反発するので、そこを逆手にとる。

アメリカ人は経済的利益をとても重視しています。

日本人は、組織の中での調和を重視しています。

これは人間の価値観の類型です。ですから、日本人のなかにも、イギリス人的価値観やアメリカ人的価値観をもっている人が当然おります。

ですから、説得のためにコミュニケーションを行おうとするとき、相手の価値観をしっかり認識しないと、まるで外国語で話しかけるようなことになりますね。


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各人物には、それぞれ質問を用意してありますので、読者はそれを考えれば、一層人間分析の意味が理解できるでしょう。
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