どりじゃん スピンオフ | るーちゃんのブログ

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どりじゃんスピンオフ

 

 

 

大久保  篤姫様ぁ!

山内   愛しの姫様ぁ!

大久保・山内  好きです!

篤姫   いやぁぁぁ!

ト書き  ここは神下り山。篤姫は、座敷わらしに飲まされた薬の妖力によって、恋に落ちてしまった大久保利通、山内容堂に追われていた

篤姫  (走りながら)山の中をハイヒールで駆け抜けているのよ、逃げ惑っているのよ、このわたくしは篤姫! 紫吹淳です!

山内   さ、篤姫様。この山内の腕の中に収まりください

大久保  結婚を断ったくせに、今さらなにを言う。お前にあの姫様は無理だ。さ、篤姫様、こちらにおいで下さい

篤姫  「どうしたと言うの、大久保まで・・・」

大久保  どうもこうも。篤姫様が好きなだけです!

篤姫  「イヤ! 来ないで。もう騙されないわよ」

大久保  おやおや人聞きの悪い。俺がいつ大切な姫様を騙したというのです? 俺はあなたの幼馴染。幼き頃よりずっとずっと愛し続けていたのですよ!

篤姫  「いやぁぁぁ!」

ト書き  迫りくる男たちの手から、篤姫は再び逃げ出した

篤姫   嘘に決まってる。あの大久保に限ってそんなわけないわ。だって、大久保は・・・

ト書き  篤姫は、思い出す

大久保  山内容堂殿と結婚して下さい。そうすることが、この国のためなのです

篤姫  「本当? 信じていいの、大久保」

大久保  もちろんです。平和のために・・・(こっそりだがバレバレに)そうして、この俺が総理大臣に・・・!

 

 音楽

 

篤姫   大久保にとって、私は利用するためだけの存在だもの。好きだなんて、そんなことあるわけないわ!

ト書き  記憶は遡る。初めて大久保と会った日。篤姫、このとき三歳

大久保 (爽やか笑顔)ねえ、篤姫様。僕と友達になろう

篤姫  「お友達?」

大久保 (爽やかな笑顔)君のお父さんと仲良くなりたいから、友達になろう

ト書き  幼い大久保は露骨だった

大久保 (爽やかな笑顔)不安がることはないよ。本当に仲良くなる必要はないんだ。周りから、僕と篤姫様が仲良しなんだなって思われるだけでいいんだ。ところで、君のお父さんの年収はいくらか知ってる?

篤姫   そうよ。大久保は最初からこんな感じだったわ

ト書き  篤姫四歳。ある日、父親と歩いていると大久保に話しかけられた

大久保  篤姫様、このお花をあなたにあげます

篤姫  「わあ、可愛らしいお花。ありがとう」

ト書き  篤姫の父親は、大久保へ

父親   これからもうちの娘と仲良くしてくれ

ト書き  それを聞いた大久保は、大まじめな顔をして

大久保  もちろんです。篤姫様はかわいくて立派な姫様ですから。申し遅れました、僕は大久保利通といいます

篤姫  「お父様、大久保と遊んで行ってもよいですか?」

ト書き  父親は頷いて去っていった

大久保 (笑顔)返して

篤姫  「え?」

大久保 (笑顔)その花、返して。もう用件は済んだから

篤姫  「え? え?」

大久保  よしよし、うまくいったぞ。じゃあねー

篤姫  「え? え? え?」

ト書き  篤姫六歳

大久保 (爽やかな笑顔)こんにちは、篤姫様。こないだ薩摩藩の偉い人とおられましたね?

篤姫  「ええ・・・」

大久保  僕の名前を、出してくれましたか?

篤姫  「大久保の? どうして?」

大久保  言ってくれなかったんですか? お友達なのに

篤姫  「だってあのかたとお父様は、(まつりごと)のお話をなさっていたのよ?」

大久保 (爽やかな笑顔)だからこそですよ。あー、僕という神童が政治の世界に踏み出すチャンスだったのに・・・。今度からは必ず言って下さいませ、とっても優しくてとっても賢いお友達がいるって

篤姫   大久保は、いつだって打算的で

ト書き  篤姫八歳

大久保  篤姫様

篤姫  「なあに、大久保」

大久保 (爽やかな笑顔)人前では、もっと俺を立てて下さい

ト書き  篤姫十一歳

篤姫  「どうしたの、大久保。お団子なんか買ってきて・・・今日はなんだかとても優しいわね」

大久保 (爽やかな笑顔)俺が優しくなかった時がありますか?

篤姫  「基本的に、いつもだわ」

大久保  おいしいですか?

篤姫  「悔しいけど、おいしいわ」

大久保  この味を忘れないで下さい。しばらく食べられなくなるでしょうから

篤姫  「え?」

大久保  篤姫様が、徳川家定の正室となり、大奥へ入るという噂を聞きました。それはまことでございますか?・・・まことならば嫌です。離れたくない

篤姫  「なにを言い出すの?」

大久保  もう、手遅れですか?

篤姫  「だって、私は・・・」

ト書き  言葉に詰まる篤姫。彼女は幼き頃より、徳川に嫁ぐために育てられてきた。しばしの沈黙ののち、大久保はパンっと一つ手を打った

大久保  ま、このままではお嫁に行き損ねるんじゃないかと心配申し上げていましたので、肩の荷が降りました。おめでとうございます。さ、お団子を召し上がって下さい。そしてその味とともに、この俺のことも忘れず、決して忘れず、江戸中に大久保利通の名を響かせて下さい。九州には、それは立派な男がいると

篤姫  「なによ。そういう魂胆だったのね」

大久保  お付きの者も大勢必要でしょう。用意しておきました。よりすぐりの侍女たちです。英才教育が施されています

ト書き  並べられた侍女たちは、大久保のクローンのように皆、同じ微笑みを浮かべている。篤姫はぞっとした

大久保  安心して彼女たちに心を開いて下さい。どんな機密事項でも、なんなりと

ト書き  完全なるスパイだ

篤姫  「絶対に、幕府の秘密は喋れないわね」

ト書き  篤姫が江戸城へ輿入れすれば、その途端、大久保から、高価な装飾品や金品がじゃんじゃん送られてきた

篤姫   結婚するまではお団子くらいしかくれなかったのに。・・・露骨なワイロだわ

ト書き  徳川家定が亡くなり、江戸藩邸に身を寄せる篤姫を、大久保が訪ねてきた

篤姫   久しぶりに会ったと思えば、挨拶もそこそこに、容堂殿へ嫁げだなんて言って

大久保  俺は、この国のトップを狙いたいんです。総理大臣に!

篤姫  「平和な国にしてくれる?」

大久保  平和?・・・あぁ、そうですね。そうしましょう。平和な国。その代わり、あなたも協力して下さいね、篤姫様

篤姫   言われなくても、ずっと協力してきたじゃない・・・

山内   好きでーす!

大久保  待って下さい、愛しの篤姫様―!

篤姫   なのに、今度はどんな魂胆なの? どういうことなの?

山内   総理大臣になって、あなたの夫となりましょう!

大久保  いいや、総理大臣になるのはこの私だ!

 

 銃声の音。

 

山内   お、お前・・・、ぐはぁっ(絶命)

篤姫  「大久保!」

大久保  姫様のためですよ

ト書き  いつしか周囲には、新選組の亡霊、妖怪たち、後藤と板垣の姿が。大久保はさらに板垣を撃ち、追って現れた伊藤俊輔に刀を向けられる

大久保  いいところに来てくれたな、伊藤君。君にも死んでもらうよ

篤姫  「やめなさい、やめるのです!」

大久保  私が総理大臣になるためです。黙っていないとあなたも撃ちますよ、姫?

篤姫  「大久保・・・」

大久保  冗談です。愛する人は必ず守ります。・・・さて、まだ勝負がついておらんぞ、長州! 土佐!・・・死ぬがいい

 

 刀や銃声の音。

朝を迎える。

 

大久保 (爽やかな笑顔)篤姫様。・・・篤姫様、起きて下さい。こんなところで眠っていたら、庶民に身ぐるみ剥がされてしまいますよ?・・・篤姫様?

篤姫  「(寝ぼけ)ぅん・・・大、久保・・・? ここは・・・」

大久保  鹿鳴館です。俺たちは一体全体、どうしてこんな所にいるのでしょうね

篤姫  「わたくし、眠っていたの・・・?」

大久保  ええ。私もいつから眠っていたのか、さっぱりわかりません。ふがいない限りでございます、姫様のおそばにいながら・・・

山内  (いびきをかいている)

大久保  なぜか山内容堂殿も熟睡しておられます。・・・おや、篤姫様? どうなさいましたか、そんな顔をして

篤姫  「おかしな夢をみたわ」

大久保  それは奇遇ですね。実は私も、長いような短いような、うたかたの夢を。どんな夢でしたか?

ト書き  篤姫は、まだ耳に残る大久保の言葉を思い出す。

大久保 『愛する人は、必ず守ります』

篤姫  「教えてなんかあげません。絶対に秘密よ!」

山内  (いびきをかいている)

大久保  起きて下さい、山内殿。さもなければ、篤姫様と結婚して頂きますよ~?

山内  (ガバッと起き)一発で目ぇ覚めたぁー!

篤姫  「(可愛く)大久保の言う事なんか、信用できないんだからっ・・・。でも、あれは本当に夢だったのかしら?」

ト書き  首をかしげる篤姫を見つめながら、彼は呟いた

大久保  あなたのことは私が一生お守り致します

篤姫   フンッ、大久保のくせにっ!

大久保  さあ、帰りましょう。お手をどうぞ、篤姫様?

 

終わり。

 

 

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