江戸川大学社会学部ライフデザイン学科3年 駄賃場桃子

 

㈱美瑛の学び舎代表 田中勝氏

1966年同志社大学を卒業後、38年間日興コーディアル証券勤務という経歴を持つ。20067月、現住所北海道美瑛町へ移住。動機は、定年後は自分の好きな得意分野で仕事をしてピンコロを実現したいということと、好きな北海道で過ごしたい、廃校を活用して地域活性化に貢献したいということからだ。現在は、単身赴任状態で奥様は反対も協力もしないという。

 

「廃校活用は農業とコラボで」

075月から美瑛町の元小学校を施設丸ごと無償で借り受け、廃校活用の事業を開始した。コンセプトは「旅と学びの場を提供」すること。学びを目的とした道外からの観光客を特に夏以外のオフシーズンに誘致し、宿泊を伴う滞在型旅行者を増やす。施設はトイレを様式ウォッシュレットに改装した他は元のままである。当施設に宿泊はできないので、62箇所の美瑛町内の宿泊施設を活用している。実績として、07年資産運用セミナー・経済財政白書勉強会や、08年ハッピーリタイアメントセミナーなどがある。採算は赤字である。今後の方向は、廃校(全国に3,000校)の活用は農業振興(法人による農業会社経営方式)と同一軌道上にあるので、食糧事業が追い風を受けている今日こそ新たな廃校ビジネスモデルを提供したい考えだ。

 

地方の活性化は人を移動させることから

都会のリタイア組は何かをやりたがっているため、生き甲斐の提供が必要である。例えば、過去にバンドをやっていた人への場所の提供。音楽をやりたくても場所がないことが多い。

しかし問題がある。テレビなどで紹介されている田舎暮らしの成功例は少ない。何の目的もなく、ただ自給自足をしたいがために移住した人は、交流がうまくできない。それまでオフィスで上の立場に居た人たちが、わざわざ自ら交流をはかることはしにくい。そこの交流の仲介をし、支えになる立場が必要である。

 

越冬野菜と自家栽培

 大根や人参を冬の間雪の中で保存したものを越冬野菜という。糖分が高く、甘くなる。冷蔵庫よりも寒い雪の中で大量に保存が可能である。このような生活の知恵も、販売方法を工夫することで都会に出荷することを考えている。

 さらに、大量に栽培し出荷したものより、農家の方が自分達のために栽培したもののほうが安全である。このような少量で丁寧に育てたものを集め、出荷したい考えだ。

 

都会での野菜の販売方法

 オフィス街の道ではお弁当が良く売れる。この方法から思いついたのが、大根や人参などをちょうど一食分にまとめたものを1袋ワンコインで夕方に販売する。共働きの主婦が狙いである。そのまま帰って調理できる。

 

農業株式会社

 若者を農業へ誘うためには、会社を作る必要がある。農業に興味が持てない理由として、変化がないこと、仲間が居ないこと、嫁がこないことがある。これからの農業には“力”は不要であり、変える“勇気”が必要である。さらに、農業は女性が中心になることで大いに変わることができる。

 

これからの計画

 今後は、廃校活用サイトを作りたい考えだ。そこで人を集め皆で考えることで、様々な計画や目指す方向に結論が出る。

 

定年と失敗

 田中さんは、やりたいことを失敗することを恐れずに実践している。実際は失敗続きでも、実現のために実践している。それは、定年をむかえピンコロまでを何も恐れるものがないからかもしれないと感じた。そのような勇気とやる気があるのが、今の段階の世代の方々ならば、多くが農業に向かうとしたら大きな力になると思った。

 

若者を農業へ

 会社を作ることはいい考えだと思った。私たちは就職活動をする際、就職サイトを活用する。そこに農業のサイトがあると入りやすい。しかし、農業に興味を持ってサイトを見る人がどれだけいるだろう。興味を抱かせるためには、イメージや仕事内容、待遇が良いことが必要である。若者が欲しいのならば、若者の目線で考えることが重要である。