日常的に頭痛に悩んでいる方の中には、多数の頭痛薬をピルケースにいれ持ち歩いている人も多いと思います。消炎鎮痛薬、解熱鎮痛薬、トリプタン製剤、ビタミン剤、筋弛緩剤、抗うつ薬、胃腸薬と『頭痛持ち』といわれる長年頭痛に悩んでいる方はそのつらい症状を抑えるため多数の薬を常用しています。そんな方に注意していただきたいのが薬物乱用頭痛（MOH）です。
薬物乱用頭痛とは薬の多用による頭痛のことで、多数の薬を過剰に使用することで、症状がかえって悪化、複雑化してしまう医原病です。日々診療していると「薬物乱用頭痛では？」という患者さんも多く、実数はかなりの数がいるものと思われます。次の様な症状が当てはまる方は薬物乱用頭痛かもしれません。
・月に15日以上頭痛がある。
・頭痛薬を月に10日以上飲んでいる。
・以前は効果があった薬が効かなくなった。
・朝起きた時から頭痛がある。
・頭痛が以前よりもひどくなってきた。
ひどい頭痛を経験すると、その恐怖から鎮痛薬などの頭痛薬を予防的に飲むようになり、次第にその量が多くなってしまいます。それは、頭痛薬はあくまで症状を抑える薬であって、治すものではないため、次第に薬の効き目が悪くなり服用する回数、量が増えていってしまうからです。そしてしだいに痛み自体に敏感になり頭痛が悪化、複雑化してしまいます。
薬物乱用頭痛になってしまったら、基本的にはその薬を止めなければなりませんが、それはとてもつらいものです。反動による吐き気や嘔吐、離脱頭痛やうつ症状が現れることもあります。
そうならない為に頭痛の本当の原因を考えて下さい。それは、ストレスかもしれない、寝不足、喫煙、飲酒、運動不足かもしれません。勿論生活習慣はそんなに簡単にかえられる事ではないかもしれませんが、必ずあなたの生活習慣の中に頭痛の原因はあるのです。そして近くの鍼灸師に相談をしてみて下さい。われわれ鍼灸師は一人一人違う様々な生活習慣の中でどう疾患と向き合っていけば良いかをアドバイスできると思います。１人で悩まないで下さい。
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