離婚無効 | 弁護士 金英哲のブログ

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大阪のKIM法律事務所の弁護士です。

夫に勝手に離婚届を出された妻から依頼を受け、離婚の無効を求める手続きを行いました。

 

離婚届が役所に出されてから数年間経っており、勝手に出したことを証明する証拠もありませんでした。

なので、正面から離婚無効を求めても、相手が勝手に離婚届を出したことを認める可能性は低く、勝つのは難しいと思えるケースでした。

 

依頼者は、離婚届を出される少し前に、夫が依頼者名義の不動産を他人名義に勝手に移したとも言っていました。

それも何とかしたいということだったので、ひとまず離婚無効は置いといて、不動産の名義を取り戻すための裁判をしました。

ところが、相手は不動産についての知識が豊富で、裁判の証拠にすることができる資料をたくさん持っていました。

かなり厳しい状況に追い込まれていたところで、依頼者の夫を証人として尋問することになりました。

尋問では、移転登記をすることになった経緯を中心に聞いたのですが、一か八か、離婚届を妻に言わずに出したのかと聞いてみました。

すると、夫は油断していたのか、なんと、離婚届を勝手に出したことを認めました。

 

こうして決定的な証拠ができたので、依頼者は、離婚無効を求める調停を経て、離婚無効裁判を起こすことになりました。

離婚無効裁判では、先行した不動産に関する裁判の尋問調書を証拠として提出した結果、完全勝訴となりました。

 

ただ、不動産の名義を取り戻すための裁判には勝つことができませんでした。

しかし、先に不動産について裁判を起こしたことで、結果的には依頼者が求めていた離婚無効を勝ち取ることができたのです。

つまり、妻として婚姻費用を請求することも、後に離婚する場合には財産分与を求めることもできる立場に戻ることができました。

 

どのような手順で法的手続きをしていくのか、考えて戦略をたてることの重要性を改めて感じました。